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第33回 理科実験問題の対策

■理科では良く実験問題が出題されます。実験問題は大きく分けて、2つに分類されます。1つは実験方法を尋ねる問題。例えばガスバーナーの使い方、顕微鏡のセットの仕方、メスシリンダーの見方など、いろいろなパターンがあります。これらの問題は、しかし解答のポイントも決まっているので、比較的対策もしやすいのではないでしょうか。

■ もうひとつは実験結果を分析させる問題です。この形にはまた2つのパターンがあります。ひとつは数字的に予測することが可能な問題。例えば振り子や気体の発生、中和、電気などの実験です。これらは実験結果が問題上にグラフや表で提示されます。その結果からある程度規則を予想することができますし、もちろん振り子の周期などの法則を知っていれば簡単に答えられるでしょう。

■この手の問題は、出題パターンが決まっていますので、ある程度できるまで問題を繰り返し解かなければなりません。ただ、理科は算数と違い出題される形式には限りがありますから、電話帳(各校の入試問題を集めた分厚い問題集)などを解いていくと、良く出るパターンを習得することができます。例えば電気の出題だけ解いてみるという勉強の仕方が効果的です。

■実験問題で一番困るのは、なかなか解答の予想がつかない場合です。ある学校でろうを溶かした後、固まった場合、その体積は液体のときに比べて大きくなるか、小さくなるかという問題が出たことがありました。問題は3択だったので、わからない子は多分適当に答えたのではないかと思うのですが、むずかしい問題です。

■参考書やテキストにきちんと書かれている結果があれば、いいですか、こういうのはたまたま理科クラブでやった実験だったりしない限り、解答できないものです。以前、カイコの絵を描けなどの問題が出題されたこともありますが、現代っ子にはなかなかカイコを見る機会もないし、ましてや上手に書けた子はあまり多くはありませんでした。

■この手の問題ができるということは、やはり相当理科という科目に対する子どもの関心が高くなければ無理なのです。しかし受験では、それまでの準備をすることはなかなかむずかしいわけで、私はそういう問題に関してはずばり切り捨ててしまうべきだと思っています。

■入試は、合格点を取れればよいのです。満点をとらなければいけない試験ではありません。良くお話しますが、できる問題からやる、わからない問題は切り捨てていいのです。ただ、子どもによっては、気が小さくて、細かいことにこだわってしまうタイプがいます。こういうときは、うまくアドバイスしてあげてください。

(平成16年11月23日)

第32回 I君復活作戦!

■I君のお母さんからSOSが入ったのは10月に入ってからでした。合不合1回目の成績があまりにもひどく、これでは志望校合格が難しいという話です。I君は精神年齢の幼い男の子です。算数はまだできるが、国語はできない、社会も覚えていない。できる算数も試験になるとミスだらけという状況です。

■ そこで、まずは電話帳から宿題を出し始めました。1週間に5校。算数ばかりです。さらに暗記用テキストをお父さんと勉強して、毎週チェックしてもらうことも加わりました。国語の読解もやりたいとは思いましたが、優先順位はまず算数と思い、最初は見送り、塾の宿題と合わせて計画をたててもらいました。

■結構、大変な量かとも思ったのですが、実は、I君、あまり家で勉強してはいなかったようなのです。お父さんも、これまでは塾でやっているんだろう、くらいに考えていたようですが、息子の暗記力のなさに唖然として、がんばってくれるようになりました。

■さて、それから1ヶ月。目に見えて算数のミスが減ってきました。「できるじゃない。」「まあ。」「模擬試験もこの調子でやればいいんじゃない。」そして2回目の合不合では、算数は少しあがり、国語と社会は相変わらず。お母さんはがっかりしていましたが、しかし算数が上がったということは、明らかな進歩ですので、「えらい!」とほめちぎりました。

■そしてさらに2週間が経過。やっている勉強は変わりませんが、明らかに算数は落ち着いてきました。ミスがずいぶんでなくなったのです。さらに社会の暗記が進んできて、過去問をやってもらうと、結構点数があがってきました。最近では、1週間に解く過去問の数は10校を超えています。

■「社会って、結構出るものが重なるんだよね。」「月や太陽ででるものは決まってる」だんだん、教科ごとに自分がおさえなければならないものが、自然にわかってくるようになりました。自分の受ける学校はもちろんですが、他校の問題も解いていくうちに少しずつ自信ができてきたようです。前にもお話した通り、入試はすべての出題範囲の3割が出題全体の7割を占めます。だから3割覚えていれば70点はとれるのです。そこを徹底してやるために、過去問、電話帳は良い教材です。

■本人は3回目の合不合に向けてやる気満々ですが、まあ、そんなに点数はあがらないでしょう。結構手ごたえがあったとしても、模擬試験では5ポイント上がれば御の字です。でも、その流れが続いていけば、第一志望合格も夢ではなくなります。がんばれI君。

(平成16年11月16日)

第31回 なぜ誉めるのが良いのか

■仕事柄、6年生のお父さん、お母さんと御目にかかることが多いのですが、最近あることに気がつきました。合格した子どもたちの保護者の方は、明るい方が多いのではないかということです。性格的な問題というわけではありません。むしろ子どものことに関してプラスイメージをもっているかどうか、ということなのです。

■「落ちるのではないか」「成績が上がらないのではないか」という心配は当然誰にもあります。こういう感情を持つことがいけないのではありません。どなたも子どものやっていることを見ていれば、そう感じることはあるでしょう。しかし、そこから何らかの手を打って、最後には「これで大丈夫」とか「これで良くなるだろう」というプラスのイメージに変えられているかということなのです。

■逆に考えれば、そこで何とかできると思うから、プラスに切り替えることができるわけです。ではその元にある感情は何でしょうか?それは、うちの子にはいいところがあるという認識だと思うのです。「やれるかもしれない」「この前もできたし」そうそう、そういう認識があるから、親も「よし」という気持ちになることができるのではないでしょうか。

■ということは、「うちの子にはこんないいところがある」という認識を持てれば、子どもたちを成功に導くことができるということになります。子どものよいところを見つけて、その良いところを子ども自身に知らせるには、惜しみなくほめてあげることが一番です。

■ところが、6年生もこの時期になると、いろいろ成績が出てくるので、心配がたくさん出てきます。悪いことを考えれば、いくらでも考えられるのではないでしょうか。だからこそ、ここ一番、お子さんの良いところをどんどん、誉めてほしいのです。

■誉めると子どもは積極的になります。これもできるかもしれない、もう少しがんばれば、わかるかもしれない、そういう気持ちになれば、勉強は楽しくなります。この時期、絶対に合格してやるぞという気持ちが大事、さらには試験が楽しみになってくれれば怖いものはありません。

■そのための原動力は、お父さん、お母さんの一言です。私は、この時期の6年生には、きびしいことを1つ言おうと思ったら、誉める言葉を2つは最低考えてから言っていました。2つ出ないときは、言わないくらいの気持ちで子どもたちに接すれば、子どもたちの自信はしっかり培われると思います。

(平成16年11月9日)