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第21回 志望校の決め方(1)

■6年生はそろそろ、志望校が絞れてきたころではないかと思いますし、5年生や4年生もモチベーションをはっきりさせる意味でも、志望校は決めていきたいところです。今週から数回に分けて志望校の決め方をお話したいと思います。

1 今の成績は一応、おいておく
まず志望校を決めていくにあたって、現在の成績は一応、考えからはずしましょう。というのは、最初から現在の成績だけで絞り込んでいくと、非常に選択肢がせまくなるからです。また親からみても、その成績のしばりにとらわれて、本来、子どもに与えたいと思っている教育環境が見えなくなってしまう可能性があります。今の成績はまずさておき、どこに入れたいかを考えてみましょう。

2 大学付属か、大学受験か
大学受験をさせるのか、付属校でいくのがというのが次の選択肢です。子どもは高校生になれば、自分でいろいろな道の選択をするでしょう。そのとき、自由に選択できるという面では、やはり大学受験校の方が良いでしょう。ただ受験校には大学受験に向けてそれなりのカリキュラムが用意されていて、本来、子どもがやりたいことができなくなる可能性もあります。例えばすでに音楽の道に入っている場合は、付属校の方が良いということになります。ただ、付属校の子どもでも大学受験をしますから、これでがちがちに考える必要もないかもしれません。ただ、付属校で受験勉強をするのはなかなか大変でしょうが。

3 通学時間は1時間以内
やはり1時間以内にしたいところです。クラブ活動をすれば、夕方の練習もあれば、朝の練習もあります。学校での活動を充実できるのにはやはり1時間以内の通学時間が理想です。その範囲内で、候補を考えてください。ただ引越しという手はずもありますが。

4 スクールカラー
一般的には自由闊達な校風と比較的カチッと管理する校風の2つがあります。自由闊達な校風の場合、校則も少なく、制服もなし、という場合が少なくありません。もちろん子どもたちが自分でしっかり考えることができるのならば、こういう学校が良いでしょう。反面、学校側の管理は期待できませんし、大学受験の指導が光るということも、ほとんどありません。こういう学校で大学受験の成績が良いというのは、やはり生徒が優秀で、かついい塾や予備校が機能しているということでしょう。割とカチッと管理する校風は、大学受験のカリキュラムだてもしっかりして、宿題、テストなど、やらせる部分も少なくありません。その分、ストレスが多く、学校になじめないという生徒も出てきます。親は安心ですが、本人のいろいろな可能性が十分に試せないまま、「英語ができないから理系」のような選択がたくさん出てくる場合があります。

■スクールカラーは、やはり説明会や学校行事を通じて知ることができます。在校生の保護者の方の話を聞いてみてもよいでしょう。やはり子どもが6年なり10年なり通う環境ですから、しっかりと調べてみることが必要です。その中で、子どもの性格に合う学校を複数選んでください。この段階ではまだリストアップです。この中からだんだん絞り込んでいきますが、次は絞り込み方をお話します。
(平成14年7月7日)

第20回 理科の勉強法

■一通り、受験カリキュラムの勉強を終えてみて、結構むずかしいのが理科です。電気、天体、力のつりあい、水溶液など理論的に理解しておかなければいけない部分は、意外に多いものです。

■ところが理科の参考書で勉強してみると、壁にぶつかります。なかなかわかりやすく書いてくれている本が少ないのです。基本問題は何とかなりますが、応用問題になると、なぜこういう解答になるのか、わからないことがたくさん出てくるでしょう。
■ 理科は、とにかく習った方が早いというのが私の持論です。そこはやはり塾がノウハウを持っていて、いろいろな解法を用意しています。先生によっていろいろ教え方にも工夫があるようですが、いずれにしても理解できれば良いので、この先生!という人について習うのが一番効率が良いでしょう。

■実際に教えてみると、やはり分野によっては何度も繰り返して教えなければいけない分野があります。私が現場にいたときは、やはり電気と天体が大変でした。特に電気は、6年生とはいっても、結構難しい問題まで作ろうと思えば作れるし、実際にそういう問題も出題されていますから、本当に理解するまでには時間がかかるのです。

■しかし一方で、目標校によってはまったく必要のない分野になる場合も少なくありません。豆電球の明るさまでは、理解するとしても発熱量や抵抗値との関係まで、どの学校でも必要というわけではないので、ある程度切り捨てる必要も出てくるでしょう。そのあたりはやはり専門の先生に相談して、例えば電気でも、ここまで理解すればよしという範囲を持っておくのも大切なことです。

■受験勉強は、やはり合目的的なものですから、合格のためにもっとも効率の良い方法をとるべきです。知識に関してもやはりよく出るものから覚えるべきなのです。調べてみると、やはりよく出る知識というのは決まっていて、それは全範囲の30%くらい、それが出題の7割くらいを占めます。ということは30%をしっかり覚えれば70点とれるということですから、その30%をしぼってもらうことが必要です。そこに塾のノウハウがあるのですから、こういうときこそ塾を利用してください。
(平成14年6月30日)

第19回 模擬試験の見方

■6年生は夏前の模擬試験がそろそろ返ってきたころではないかと思います。今年も、いよいよ受験準備が本格的になってきました。ところで結果はいかがでしたか?

■模擬試験の結果はコンピューターで処理されて返ってきますが、どうしても目が行くのは合格可能性。その数字に一喜一憂してはいけないとは思っても、やはり気になるのが親というものです。
■ でも、模擬試験で一番大切なのは、これらの成績表ではなく、答案なのです。子どもが少なくも現在の力でできるだけのことはやってきました。そしてその結果は答案にいっぱい現れています。

■例えば、計算間違いをしていた問題があったとします。ミスはどうしても出るものですが、それでも防ぐ方法があります。計算を大きく書く、あるいはその場で検算するなどです。そういう方法を実際にやっているのか、答案には結果が出ているのです。多くの子どもたちが問題のすきまに、小さく計算しているのが現状でしょう。「ミスをしてはいけない」と怒るより、どうやればミスが少なくなるのかを子どもといっしょに考えて、変えていかなければなりません。

■まず子どもたちには、成績が返ってきたら、すぐ解きなおしてもらってください。そして、できなかったところは、必ず解答を見ながら復習してもらいましょう。その中で、どうしてできなかったのかを考えてみます。「時間がなくてできなかった」場合もあるでしょうし、「まだよくわかっていない」からできなかった場合もあるでしょう。そういうことを、次の試験までに対策していくことが大切です。

■夏休み前の模擬試験は、夏休みの勉強をするために何を優先すべきかを考えるのが目的です。何が弱点なのか、どういうところが不足しているのか、その結果はコンピューター処理されている場合もありますが、やはり答案用紙に一番、よく現れています。この結果を元に、しっかり夏休みの計画を考えてください。
(平成14年6月22日)