子どもたちのための合格手帳」カテゴリーアーカイブ

第49回 入試の心得(2)

■国語の問題では、まず全体を見渡します。知識の問題が出ていると思いますから、そこから始めましょう。文法の問題や外来語の問題などもあるかもしれませんが、割と時間がかからない問題から始めてください。

■次に文章題ですが、多くの人がすぐ文章を読み始めるだろうと思います。しかし、まず先に問題を読んでください。どんなことが聞かれているのか、確認します。すると、文章を読まなくても答えが書ける問題があることに気がつくでしょう。例えば漢字の書き取りや読み、文法などはその部分だけを見れば答えが出せます。これも先にやってしまいます。

■答えを書けるところが終わったら、今度は本文を読み始めてください。ただ、すでに一度何を聞かれるのかつかんでいますから、ポイントをしぼることができるでしょう。また最初に書いた漢字の答えが間違っていることに気がつくかもしれません。同音異義語や同訓異字などは文の意味で候補が変わってくるはずです。その点、一度答えていると文章を読んだときに確認できますから、間違いを訂正できます。

■読解の問題では、作者が何を訴えているのか、最初にメモしておくと便利です。また記述の解答では、結論をなるべく先にして、説明は後に回してください。かつ、一文はなるべく短く書いてください。ひとつの文はひとつのことを言えばいい、という意識で書いてください。採点する先生にとっては読みやすいので、良い点がつきやすくなります。

■選択肢の問題では、何がちがっているのか、理由を考えてみると答えがわかりやすくなります。例えば本文の趣旨と一致しているものを選びなさいという問題では、どこが違うのか、傍線をつけてみると、答えがすぐみつかるでしょう。試験時間は限られていますから、できるだけ有効に使ってなるべく多くのできる問題を見つけて解くように心がけてください。

(平成18年1月21日)

第48回 入試の心得(1)

■入試の心得は、はたまた母親講座第47回でお話しています。

■入試では、1番から解いていく必要はありません。自信のある人が、満点をとろうと思って最初からやり始めたが、途中で難しい問題に出会ってそれに時間をかけているうちに、時間切れになったというのはよく聞く話です。しかも模擬試験と違って後ろのほうに難しい問題があるとは限りません。

■ですから、まず全体を見渡して自分ができそうな問題から解いていくということが大事です。また知識問題から先に答えを書いていくことも重要でしょう。例えば漢字の書き取りなどは、あまり時間がかかりませんから、とにかく先に済ませてしまうという方法が良いでしょう。

■次に大事な点は問題をよく読むということです。ミスの原因のひとつはこの問題の読み間違いによることが多いのです。問題を読んでいるうちに勝手に解釈してしまって、面積を出す計算をしていたのだが、実は周りの長さだったとか。よくありません?ですから問題をていねいに最後まで読んでください。そして、何を出さなければいけないのか、しっかり意識することです。特に答えが出たと思ったとき、ミスをしがち。そこでもう一度問題を確認して、自分が出した答えが本当に求められている答えなのか、必ず確認しましょう。

■人間だれでもミスはします。ただ前にもお話したとおり、できる人は自分のミスに気がついて修正することができるのです。どうしてでしょうか?それは途中で確認を繰り返しているから。例えば、計算であれば計算をしたあと、その場で自分が書いた筆算を見直すだけで、ミスを防ぐことになるのです。答えが割り切れなかったとき、自分が思っていた感じと違うときなど、前の式を見直したり、問題文をもう一度読み直してみたりして、ミスを見つけるのです。ですからひとつひとつ確認しながら、進んでください。

■式や計算はわかりやすく書いて、しかも消さずに残しておきましょう。記述式の問題では、その計算や式だけで部分点をくれる学校もあります。また式を書いたら、出た答えが何なのか、メモを書いておくと良いでしょう。例えば次郎君の分速とか、AB間の距離など。ちょっと書いておくだけでミスを防ぐことができます。間違えたと思っても全部消さないで、もう一度見直し、どこで間違えたのか発見するようにしてください。そうすれば今までの時間を無駄にすることはないでしょう。

(平成18年1月15日)

第47回 1月になったら

■長かった?冬期講習もそろそろ終わりに近づいてきました。と思ったらもう入試が始まっています。さて、この入試直前期に何をやればいいでしょうか?

■勉強としては、これまでやってきたことを何回となく繰り返して確認することです。紫キャベツ液で酸性は何色? 現在の衆議院の議員定数は何人?当たり前に覚えていることですが、しかし、突然あれ?と思ったりするものです。これまで繰り返しやってきたテキストや問題集をやりなおししながら、確認してください。漢字も大事ですから、ていねいに書いていきましょう。

■もうひとつは過去の入試問題を解いていくことです。すでにもう自分の受ける学校の過去問は3回以上やってしまったのであるならば、他の学校の入試問題にも挑戦してみてください。まだ自分の受ける学校の入試問題が十分でないなら、それをやってください。いずれにしても問題中心、できない問題があれば、解答を読んでみる、ミスをしてしまったなら、それを深く反省する、そういう繰り返しの中で力をつけていきます。

■プロ野球の選手は2月1日からキャンプに入ります。そしていろいろな練習をしていきますが、開幕前になるとたくさんの試合が組まれていきます。オープン戦と呼ばれていますが、これらの試合を通じて、いままで練習してきた技術を確認したり、磨きをかけたりするのです。勉強も同じ。入試直前は、自分で勝手模擬試験をやってください。

■いろいろな学校の入試問題を時間を決めて、解答用紙を作って解いていくのです。あまり難しい問題は、やらなくてもよいでしょう。それよりも自分のできる問題を確実に解く練習をするべきです。たとえば計算問題や一行問題、漢字などは絶対に落とさないというつもりで解いていきましょう。そして採点して、自分のミスについては、なぜそれをやってしまったのか考え、防ぐ方法を見つけていきましょう。できなかった問題で、これは無理だなあと思う問題は捨ててしまってもかまいません。

■こうやって自分の机や塾でオープン戦をどんどんやってください。そのオープン戦の中で、自分がこれまで培って力に磨きをかけて、やってくる公式戦(入試本番)にそなえてほしいと思います。

(平成18年1月7日)