中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

サービスの悪い授業?

中1が期末の対策のために塾にやってきました。
彼は中高一貫校に通っています。今年の1月までは私が教えていた子ですが、
わからないことができたので質問に来たのです。

ところが彼が持ってきたのは、その学校が作った教科書。
説明や問題は書いてあるのですが、その問題の答えも書いてなければ解説
も書いていません。

「この問題は先生が解説してくれたでしょ?」
「はい、そうです。」
「そのノートは?」
「ここにあります。」
彼は自信をもってノートを差し出しました。

しかし…
彼のノートは先生が書いたであろう幾何の図を写しているだけで、肝心の
答えは何もかいていない。

「この図を書いてくれたときに、どういう説明だった?」
「え、あ、その・・・」
つまり彼はそのときは理解したつもりでノートには書かなかった。
で、こうなると始末が悪いのです。なぜか、この幾何の問題は、いろいろな
説明があり得るのです。問題は先生がどう教えたか、ということですが
ノートもなく、解説・解答もなければどうしようもありません。

結局、複数の説明をし、かつ多分クラスで1人や2人はいるであろう、ノートを
きれいにとっている子から情報を取ってくるように指令を出しました。

ノートのとり方がまだ、十分でない。これはサービスが良い塾から出た生徒なのです。(ええ、もちろん私の塾の話です。)
なぜならテキストに答えも解説も載っている。

しかし、この学校の授業はそういうサービスのよさは一切ありません。
なぜか?
授業を真剣に聞かせるためです。

「やはり与えてしまうと、自分でできるようにはならない」

サービスの悪い授業は、ある意味子どもたちをタフに育てるものなのです。

算数頻出範囲(2)

第一志望が、基本問題から応用問題まで幅広く出題する学校の場合、合否はやはりミスで決まります。
すなわちみんなができない問題では差がつかないが、みんなができる問題をミスするとやはり差をつけられてしまうということなのです。
したがって、基本的な問題を確実に得点する力が求められます。いわゆる頻出パターンの反復練習と、計算力に磨きをかけなければならないのです。
この力がしっかりしていなければ、前半部分の基本的な出題で得点が伸びなくなります。
したがってこの出題傾向の場合は、まずその基本をしっかり練習することです。ただ、これは勉強としてはあまり楽しいものではないかもしれません。
したがって出題傾向をしっかり見せて「これができなければいけないんだ」ということを子どもたちに認識してもらうことが大事なのです。

その上で、応用問題の対応を考えるという優先順位になります。十分に基礎力ができていないうちは、あまり難しい問題に手を出さないというやり方が良いでしょう。
これは先に説明した応用問題ばかりを出す学校の勉強法とはまったく異なります。しかし、入試は合格するためにうけるのです。例えばお母さんが税理士試験のような資格試験を受験しようとすれば、まずどんな問題が出るのか、気になると思います。そしてその問題を見て、こういう問題ができるようになるにはどうすればいいか、ということを考えられるでしょう。

出題傾向は、その学校がほしいと思っている生徒像を反映しています。それにあわせて戦略を考える、このことが中学入試でも当然求められているのです。ただ、それを子どもたちが一人で考えられるかといえば、そうではありません。だからお父さん、お母さんや塾がいろいろ考えるべきなのです。

ぜひ、お母さんも一度志望校の問題を実際に解いてみてください。解ける、解けないは問題ではありません。何がでているのか、それに合格するためにどうすればいいのか、塾や子どもたちと相談しながら、効率の良い学習方法を考えていただきたいと思います。

算数の頻出範囲(1)

過去の入試問題で見てみると、算数の頻出範囲は以下の8分野になります。
(1)比と割合
(2)数の性質
(3)規則性
(4)平面図形
(5)立体図形(容積と体積)
(6)速さ
(7)場合の数
(8)表とグラフ

最後の表とグラフは速さや平面図形、立体と容積と重複します。があえて別枠で捉えたのはこの形式の出題が大変多いということです。

例えば差集め算、つるかめ算などの特殊算は比と割合に含まれますが、一行問題や基本問題として単独で使われることはあっても、標準問題では速さなどの問題であわせて出題されることの方が多くなっています。

ただ、この8分野は全体として頻出するという意味であって、個々の学校の出題に限ってみるともっとしぼられてくる可能性が高くなります。

例えば男子受験校ですと基本問題は問わず、応用問題だけを4題出題する学校が増えてきています。今年も説明会で計算問題の出題の取り止めを表明した学校があるようですが、これらの学校でやさしい問題を出しても差はつきません。したがってそれなりの難度の問題になるわけです。

ただよくしたもので出題数が少ない。でその4題はといえば
(1)規則性
(2)速さ
(3)図形(平面、立体)
(4)場合の数
というような構成になるのです。

もちろんある程度の基礎が必要ですが、こういう学校を志望する場合は基本問題の反復だけでは対応ができません。むしろ入試に良く出る練習問題をじっくり考えることが必要な学習になります。

よくお話することですが、基本問題ができて、応用問題ができない場合、基本問題にもどるのは間違いです。その子は戻っても基本問題はやはりできるでしょう。要は基本問題と応用問題は構造が違います。基本問題は部品でいえば1パーツにすぎません。が応用問題はそれが3つ、4つ連なって論理を構成していますから、その構造を分解、分析できないといけないのです。それは基本問題の反復をしたところで力はつきません。その構造を分析する力は難しい問題を良く考え、あるいは解答を読み直しながら納得していく過程を経て身につくものなのです。

 この勉強ではたくさんの問題を解くことは難しいので、勢い良問を解きたいもの。だから第一志望の過去問がよいのです。第一志望の過去問は、子どもたちのモチベーションも高く維持できますし、実際に入試で解けなければいけない問題が並んでいるのですからじっくり考えることで力をつけることができるでしょう。

 もちろん基本から応用まで出題する学校でもこの作戦は有効です。ただ、この出題傾向の学校では比重をかける分野は違ってきます。

 明日はそのお話をしましょう。