進むのをやめる

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以前、比をやっているときに、どうしても理解できていない子がいました。

比べる、比べられるということが今一つピンと来ていないし、さらに言えば、比は単位がつかない。

この単位がつかない、がよくわからない。重さならkgだろう、容積ならリットルだろう。なぜ何もつかないのか。0.25だったものが突然1になったり、4になったりするのも解せない。

とまあ、そんな雰囲気でした。

で、この子の場合は、分数からやり直してみた。「え、そこまで戻るの?」と思われたかもしれませんが、進むのはいったん中止。

分数の計算をしながら、割合の考え方を復習してみる。太郎君のもっているお金の4分の1が1200円だったとして、なぜ1200円を4分の1で割るのか。案外、こんなところに盲点があったりするものです。

結局、比にもどれたのは6年生の夏休みでした。でも進むのをやめてよかったと思います。その後が順調だったから。

つまり、どこでひっかかったのか、わからないまま、カリキュラムの進めるままに勉強をやっても、わかっていないところがあれば、ぐらぐらした土台の上に家を建てるようなものだから、全体がしっかりするはずがありません。

中学受験は確かに6年生の終わりに締切がくるが、それ以外の締め切りはないのです。

だから、止まったってまったく構わない。

むしろ、不充分な理解のまま進むのならば、一度歩みを止めて、もう一度5年生のところからやり直してみるのも効率の良い勉強法だと思います。

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