第46回 結果をおそれない

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■入試が近づいてくると、受験生の皆さんにもプレッシャーがかかってくるかもしれません。「プレッシャーって何ですか?」と思う人もいるでしょう。プレッシャーは緊張感をさしますが、緊張にも良い緊張と悪い緊張があります。

■良い緊張とは、試験に対して真剣になること、あるいば勉強に対してまじめに取り組む姿勢がでることです。これは良い緊張。しかし悪い緊張とは「結果ばかりを気にして、勉強に手がつかない」とか、今までできていた問題が「落ちたらどうしよう」という不安が強くなって、できなくなってしまったとかいう場合でしょう。

■土台、ここまで培ってきた実力がどこかにいくわけもなく、単純に精神的な問題なのです。しかし、不安になれば、ごはんものどに通らないという場合もあるかもしれません。ただ、良く考えてみてください。いくら心配したところで、結果が出るまで、誰も皆さんが合格するかどうかわからないのです。ですから、心配しても仕方がないのです。

■とはいっても、つい悪い緊張をしてしまう人がいます。そういう人は多分、「不合格だとみっともない」とか「はずかしい」と感じていることが多いようです。しかし、みなさん、入学試験では落ちる人の方が多いのです。受験したすべての学校に合格する人ばかりではありません。合格したり、不合格だったり。それが普通なのです。ですから、落ちることはみっともないことでも恥ずかしいことでもないのです。私は子どもたちによく話をするのですが、入試はスポーツの試合に似ています。合格するというのは試合に勝つということだし、不合格だったら試合に負けただけのこと。また次の試合に臨めばいいのです。

■いずれにしてもみなさんは来年の4月から中学生になります。当たり前ですが、中学校は義務教育なので、どこかの中学には行くのです。私はこれまでも大事だが、これからも大事だと子どもたちに話しています。だって、これまでがんばってきても、この先がんばらなければ結局力はつかないし、自分の進みたい道にも進めないでしょう。逆にいくらでも取り返しはつきますから、これからがんばれば、どんどん力はついてくるでしょう。私が本で書いた「合格して失敗する子、不合格でも成功する子」というのはそういう意味なのです。中学入試で合格したばかりに、その後油断して力をつけられなかった人はたくさんいます。また中学入試に失敗したので、その後まじめに努力しても大いに力をつけた人がたくさんいるのです。

■要は、今までも大事だし、これからも大事。だから不安になることなく、自分が今やらなければいけない勉強をしっかり「実行する」ことです。結果はちゃんとついてくるし、その結果に油断することなく、またがっかりすることなく、また努力を続けていくことが一番大事なのです。

(平成17年12月25日)

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