■これから模擬試験が行われていきます。偏差値、順位などがデーターとしてでてくるのですが、この順位に惑わされてしまうことがあります。
■これは教えた実感でしかないのですが、例えば1番の生徒と1000番の生徒の差は、途方もない差ではないように思うのです。とくに6年生の後半になれば、範囲の勉強はほぼ終了していますので、知らないことの差は少なくなってくる分、なおさらだと思います。
■ところが、数字で見てしまうと、途方もない差に感じてしまいます。親も子どもも、この順位に惑わされてしまって、自信をなくしてしまったり、やる気がなくなったりするものです。
■試験は点数の差で並べますから、1点違えば、差ができますし、同じ点数に子どもたちが並べば、たとえ1点違っても50番、100番すぐ違ってきます。ということは、相対的位置である偏差値についても、当然すぐひっくりかえってしまうことがたくさんあるのです。
■そういう意味で、数字以上に合格、不合格がわかるのは実際に子どもたちを教えてみての実感でした。数字が良くても、「落ちる可能性が高い」子がいましたし、偏差値では合格しないかもしれない範囲の子でも、「この子は合格するな」と思える要素があると、存外、合格していきました。
■数字は結果でしかなくて、将来をはかるための絶対的な要素ではないのです。むしろその結果からいかに積極的に向かう姿勢を持ってもらうかがプロの指導者のvalueだと思うのです。「合格は無理ですね」というのは、誰でもいえる言葉ですから。
(平成14年8月11日)