どうすれば合格できるか(2)

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今日は西葛西で母親講座をお話した後、大倉山に移動して学校別特訓をやりました。今月の母親講座のテーマは秋の学習法ですが、昨晩のお話の続きを1時間半お話しました。

その要点をかいつまんでお話しましょう。

まずしっかりと第一志望を決めることです。最終的に何校合格しようとも通学するのは1校だけ。だから第一志望に合格することが一番です。第一志望に合格してしまえば、あとは他の受験生に譲ってかまわないのです。

秋の模擬試験の結果で第一志望がころころ変わってしまう方がたまにいますが、これは間違い。第一志望を決めてその入試傾向にあわせてじっくり戦略を練ることが合格の近道なのです。第一志望を変えてしまうと、それまでのそういう勉強の効果がなくなってしまいます。

そしてこの段階でもうひとつ大事なことは親子ともこの第一志望を強く受け入れることです。「絶対に合格しよう」という強い気持ちを持つことが必要です。「もしかすると入らないかもしれない」という心配は受験勉強の敵と言ってもいいでしょう。「こんなにがんばったってだめかもしれないし」と思えば、力は入りません。やるべきことをきちんとやって「絶対に合格してやるんだ」という気持ちを子どもがしっかり持てるように導いてあげてください。

さて、その次は入試傾向の分析です。入試問題はどの学校にも特徴があります。過去5年、10年と調べていけばやはり何が出そうなのか見えてくるでしょう。その結果として、やるべき勉強がだんだん絞れてきます。

子どもたちは今まで4年生くらいからずーっと受験勉強をしてきましたが、その結果として学習した内容はかなり広い範囲になります。どのくらいかといえば中学校の課程の3分の2くらいまで及んでいるのです。それを残りの期間ですべて復習し終わることはなかなか大変です。ですから、何が出るのか、そこから勉強をしぼる必要があるのです。例えば国語について言えば、多くの学校が物語文と説明文の読解と漢字にしぼって間違いないでしょう。詩や文学史、あるいは国文法はあまり出題されないし、過去にあまり出ていなければまず出ないといってもいいのです。

同様に難しい電気や化学の計算問題も学校によってはまったくでない学校があります。そのことを調べもせず、単に模擬試験の結果から難しい電気をこれでもかと勉強して何にもならなかったということはあるのです。

中学入試は当日の結果がすべてです。当日、合格点が取れればいい話。それまでの間がどんな偏差値であろうと、どんな点数であろうと合格には直接関係がありません。

逆に考えれば、出るものをやる、これは子どもたちに分析させるわけにはいきませんから保護者の方が塾の先生としっかり相談して進めてください。塾によっては「そんなことをやっても意味がない」という場合があるでしょう。これはその先生が情報を持っていないだけの話。決まったカリキュラムを進めるしか方法を知らないだけなのです。志望校が違えば、対策はおのずと違ってきます。

さて、その傾向の分析が済んだら次は、子どもの現状を正確に把握することです。ただしそれはよく出題されるものに対してどうか?ということに集中すべきです。出ないものはできなくたってかまわないのです。

それと試験のくせもよく知っておきましょう。最近中堅から上位の男子受験校には難しい問題を前半にちりばめるという入試傾向が見られます。これは特に成績の良い子どもがかかるわなといってもいいかもしれません。自信があるから、前半の問題は全部できなければいけないとつい思い込んでしまう。そして難しい問題に時間をかけてしまい、後ろの簡単な問題を落としてしまって失敗するのです。

実はこれらの学校は、当然全体を見極める力を期待しているのです。やさしい問題、自分ができる問題を見つけられるということは試験に対して強い子です。ということは先の大学受験にだって期待できるでしょう。そういう傾向は先に知っておけば、「わからなかったらすぐ飛ばせ」というアドバイスで簡単に通り抜けられるのです。これもまた、しっかり考えておかなければならないでしょう。

そうやって絞っていくとやらなければいけない課題が出てくるでしょう。例によって優先順位をつけて、計画化していきます。

そしてもはや時間が間に合わないと思われる学習内容や参考書はすべて机からけしてしまってください。これまで塾で貰ったプリントで、復習をしようと思っていたのになかなかできず、結局夏休みにもできなかった問題は、もはやおいておいても仕方がないのです。この先も多分やる暇などないでしょうから、とっとと整理してしまうことです。

何をやるべきか、それをどう進めるか、それが決まったら確実に実行していきます。

と、ここまで書いてだいぶ長くなりましたね。本日お話したことのほんの一部にしか過ぎませんが、次回に続けることにしましょう。

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