どうすれば合格できるか(1)

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最近マスコミの人と会う機会が増えました。中学受験が過熱化する中で、取材されることが増えたのですが、「大変ですね」とか「厳しいそうで」とかいう話の中でまたそういう記事で一段とあおられてしまうのだなあという印象を受けます。

多分2007年の入試は、今年の入試に比べても人数が増えるだろうし、競争率も上がるでしょう。ただ中学入試はシンプルといえばシンプルで「入試の点数が合格点に達する」ことができればよいのです。だからある意味誰にもチャンスが均等に与えられているわけで、問題はどうやって合格点をとるかということなのです。

力をつけるためには勉強しなければなりません。これは当たり前の話。ただ勉強するにも「いやいや」やるのと「積極的に」取り組むのでは同じ時間やっていてもだいぶ結果が違うでしょう。

子どもたちは基本的に「問題を解きたい」「わからないことをわかるようにしたい」という自然な欲望を持っています。私の算数の授業でよく「ヨーイドン問題」というのをやりますが、これはできる順番を争う競技です。ホワイトボードに問題を書いて、ひとつ条件を隠します。これがスタート。全員がノートに問題を書き終わったところでスタートの条件を書き加え、子どもたちがいっせいに解き始めます。できた子は手をあげてマルをつける、間違えたらもう一回、その順位を競うのですが、みんな熱中してやります。気持ちが前向きになっていると、あっという間に勉強が進むし、力もつくわけですが、そういう気持ちを上手に引き出さないと、なかなか前向きに受験勉強に取り組むことができないのです。

受験勉強を続けるためには当然、遊びをガマンしなければならない場面もありますし、つらいことも多いでしょう。しかし、それを何とか楽しいと思えるように変えていくことで勉強は進むのです。

努力する、がんばる、そういう精神論が良く言われますが、もっとシンプルに子どもたちの成長したいという欲望を上手に引き出していくことが大事になってくるわけです。

そのためには、常に前向きなことば、肯定的なことばをつかって子どもたちのやる気を引き出していかなければなりません。

うちの子どもたちの話をしましょう。

二人とも中学受験をし、それぞれ志望の学校に合格しました。私は仕事柄、うちの子どもも中学を受けさせるだろうと思っていましたから、早くから準備を始めました。つまりは年長からうちの塾にいれていたのです。

とはいっても週1回、90分ぐらいのものです。早くから字を覚え、算数の基礎的な力をつけるためでした。なぜ、そんなに早く始めたのかといえば、スタートがいっしょなのはここだけだからです。進学塾のカリキュラムは当然学校よりも早くなります。ですから例えば3年生で入ったとしても、すでに学校よりも難しいことをしていることになるわけで、ではどこがいっしょかといえば小学校1年、すなわち年長さんの卒園のころになるわけです。

1週間に1回塾に行き、宿題をもらい、復習をする、そういう習慣を早くからつけました。だからすごく勉強したわけではないが、当然学校の勉強はすぐできるようになります。それが子どもたちに自信を与えました。だからいろいろなことに対しても積極的に臨むようになりました。運動も、音楽も。私が最近、キッズの勉強を大事にしているのはその経験からです。小さいとき、家ですこしずつでも勉強の面倒を見て、自信をつけていけばそれなりにできるようになり、積極的にもなります。もちろん、遊ぶことも大事です。ただ遊んでばかりではいけない、勉強もするんだということが当たり前でなければいけないのです。

キッズの子どもたちを見ていると、なかなか遊びと勉強の切り替えができない子が多いのです。しかし、シーダーに言われて多少なりともはじめると、今度は勉強することがおもしろくなっていったりするのです。要は環境を与えること、その環境の中で子どもたちの積極性が引き出せれば良いわけです。

といって今から1年生にもどるわけにはいきません。6年生になった今、まだ十分に自信もやる気もない子どもたちに対してどうすればいいのでしょうか?

次回は今からできる方法についてご説明したいと思います。ただ、まだお子さんが小さい方はぜひとも環境の与え方を考えてください。1週間のほんの短い時間、しっかりと勉強する習慣をまずつけることが大事なスタートなのです。

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