学校選びを考えていると、いろいろな条件が気になってきます。
偏差値はどうか。大学進学実績はどうか。共学校か、男子校・女子校か。附属校なのか、進学校なのか。通学時間はどのくらいか。
もちろん、そういう条件を比べることは大事です。
ただ、最後のところで大切になるのは、やはり親が「この学校に入れたい」と思えるかどうかではないでしょうか。
説明会に行ったとき、校舎を歩いたとき、先生の話を聞いたとき、あるいは在校生の様子を見たときに、何となく「ここはいいな」と感じることがあります。
逆に、数字の上では悪くないのだけれど、どうもピンとこない、ということもあるでしょう。
その感覚は、案外大事にした方が良いのです。
親は、毎日子どもを見ています。どんなときに元気になるのか。どんな環境だと萎縮してしまうのか。どういう先生や友だちの中で力を出せそうなのか。そういうことを、無意識のうちに感じ取っているところがあります。
だから、「この学校は合っているかもしれない」という直感は、単なる思いつきではないのです。
もちろん、親が気に入ったからといって、すべてがうまくいくわけではありません。子ども本人の気持ちも大事ですし、入試の難度も考えなければならない。
けれども、親がその学校に共感できている、ということは、受験を支える上で大きな力になります。
受験勉強は、どうしても点数や偏差値に引っ張られます。
塾のクラスが上がった、下がった。模試の判定が良かった、悪かった。そういう数字に一喜一憂しているうちに、そもそもなぜその学校を目指しているのかが、だんだん見えにくくなることがあります。
でも、本来は「この学校で育ってほしい」という思いが先にあるはずです。
この学校なら、子どもが少しずつ自分らしさを出せるのではないか。この学校なら、良い友だちや先生に出会えるのではないか。この学校なら、6年間を通して何か大事なものを身につけてくれるのではないか。
そういう思いがあるから、受験をがんばろうという話になるのです。
学校には、それぞれ空気があります。
自由な学校もあれば、きちんとした生活習慣を大事にする学校もあります。勉強を強く引っ張る学校もあれば、生徒の自主性を大切にする学校もあります。
どれが正しい、ということではありません。
その子に合うかどうか。そして、家庭としてその方針に納得できるかどうかです。
だから、学校選びでは、数字だけで決めない方が良い。
偏差値表の上下だけを見ていると、つい「届く学校」「届かない学校」という見方になってしまいます。しかし本当は、「入れたい学校」「入ってから伸びそうな学校」という視点も必要なのです。
この学校に入れたい。
そう思える学校があるなら、その気持ちは大事にして良いと思います。
もちろん、現実的な作戦は必要です。併願校も考えなければならないし、過去問との相性も見ていかなければならない。
ただ、その中心に「この学校で学ばせたい」という思いがあると、受験の進め方も少し落ち着いてきます。
塾のペースに振り回されるだけでなく、わが家として何を大事にするのかが見えてくるからです。
受験は、子どもを追い込むためにするものではありません。
子どもに合う環境を選び、そこで力を伸ばしていくためにするものです。
だからこそ、学校選びの最後のところでは、親の「ここに通わせたい」という気持ちを、もう一度確かめてみてください。
その思いがはっきりしてくると、受験勉強の意味も、家庭での支え方も、少しずつ見えやすくなっていくはずです。
塾のペースから少し離れて、まずは確実に自信を取り戻す、という方法もあります。こちらもあわせてご覧ください。
