受験学年になると、そろそろ過去問をどう進めるか、という話が出てきます。
しかし、実際にはまだ全教科を本格的に始めるには早い時期もあるし、何から手をつければいいのか迷うご家庭も多いでしょう。そういうとき、私はまず国語から始めることをおすすめしています。
理由は比較的はっきりしています。
国語は、4教科の中でも、早くから学校別の傾向に触れておく意味が大きい教科です。文章の長さ、問題の聞き方、記述の分量、選択肢の作り方、知識問題の出方など、学校ごとにかなり違いがあります。算数のように「この単元を終えてからでないと歯が立たない」という面が比較的少ないので、今の段階でも十分取り組みやすいのです。
もちろん、最初から点数を取ろうと思う必要はありません。最初の目的は、その学校がどういう国語を出すのかを知ることです。
たとえば、文章を正確に追わせる学校もあれば、理由をまとめさせる学校もある。抜き出しが多い学校もあれば、選択肢の精度が問われる学校もあります。言い換えれば、過去問を始めることで、これから何を積み重ねていけばいいのかが見えてくるのです。
ここで大事なのは、解く前に「まだ習っていないから無理」「今やっても意味がない」と決めつけないことです。むしろ、早い時期に一度見ておくからこそ、その後の勉強に方向が出ます。塾のカリキュラムは全体の復習を中心に進みがちですが、志望校がある程度決まっているのであれば、学校別の現実を早めに知っておくことの意味は小さくありません。
国語の過去問を始めるときは、最初から年度をさかのぼって何年分も解く必要はありません。まず1年分で十分です。時間を計って全部やってもいいし、最初は大問を1つだけでもかまいません。大切なのは、解いた後に、
「どういう文章が出たのか」
「何を答えさせようとしているのか」
「うちの子はどこで止まったのか」
を見ていくことです。
点数だけで判断すると、まだこの時期はぶれます。それよりも、本文を雑に読んでいるのか、設問の条件を見落としているのか、記述でまとめきれないのか、語句や知識が足りないのか、そういうことを見つけていく方がずっと大事です。
国語は、すぐに成績が跳ね上がる教科ではありません。しかし、学校ごとの型を知って、それに沿って準備を始めると、秋以降の伸び方が変わってきます。だからこそ、過去問の入口として向いているのです。
過去問というと、つい「仕上げの教材」のように考えがちですが、実際には「志望校を知るための教材」でもあります。そう考えると、早めに国語から入っていく意味は大きいでしょう。
過去問、まずは国語から。
そこから、その学校に向けた受験勉強が少しずつ具体的に始まっていきます。
