2019年早稲田中学の問題です。
図1のように直径16cmの滑車をばねはかりにつるし、定滑車としました。その中心軸からつるした糸に直径8cmの滑車をかけ、動滑車とします。糸の反対側は定滑車にかけ、下にのばしてあります。この下にのばした糸を糸1、動滑車の中心からつるした糸を糸2とします。ただし、滑車や糸はとても軽いので、その重さは無視することにします。この糸1や糸2にいろいろなものをつるす実験を行いました。以下の問いに答えなさい。
まず、図1のように、糸2に50gのおもりをつるし、糸1を手で下に引いて、おもりを静止させました。
問1 このとき、手が引く力は何gですか。また、ばねはかりは何gを示しますか。
次に、太さと材質が一様な60gの棒を用意し、図2のように糸lと糸2をともに棒に付けてつるしたところ、棒が水平につりあいました。糸はいずれもまっすぐ上下にのびていて、棒をつるした2か所AとBは12cmはなれています。
問2 このとき、棒の中心Oがどの位置にあれば、棒は水平につりあいますか。以下から正しいものを選び、記号で答えなさい。
ア OがAとBのちょうど真ん中にあるときのみ水平につりあう。
イ OがAから4cm、Bから8cmの位置にあるときのみ水平につりあう。
ウ OがAから8cm、Bから4cmの位置にあるときのみ水平につりあう。
エ OがAから4cm、Bから8cmの位置とAから8cm、Bから4cmの位置の間にあれば、どこでも水平につりあう。
オ OがAとBの間にあれば、どこでも水平につりあう。
今度は太さは一定ですが、中に金属のおもりを含んだ長さ24cmの棒を机の上に置きます。この棒には両端と中央の3か所に糸をかけることができ、これらの点を図のようにC、D、Eと名付けます。初めは滑車を使わずに中心Dにばねはかりを付け、ゆっくりと少しだけ持ち上げたところ、図3のようにCが机についたまま、E側が持ち上がり、ばねはかりは100gを示しました。
問3 図4のように、滑車を使わずにEにばねはかりを付けて、ゆっくりと少しだけ持ち上げると、ばねはかりは何gを示しますか。
次に、糸2を左端Cに、糸1を中心Dにつけ、ばねはかりをゆっくりと持ち上げたところ、図5のようにEが机についたまま、C側が持ち上がり、ばねはかりは180gを示しました。
問4 図6のように、滑車を使わずにCにばねはかりを付けてゆっくりと少しだけ持ち上げると、ばねはかりは何gを示しますか。
問5 この棒を1か所でつるし、水平に持ち上げるには左端Cから何cmのところでつるせばよいですか。
問6 最後に、この棒の左端Cに糸1を、中心Dに糸2をつけ、ばねはかりをゆっくりと持ち上げたところ、片側がわずかに持ち上がりました。このとき持ち上がったのはCですか、Eですか。また、ばねはかりは何gを示しますか。
【解説と解答】
問1 手が引く力は50÷2=25g ばねばかりの重さは50g+25g=75g
(答え)手が引く力 25g ばねばかりの重さ 75g
問2 Aには2、Bには1の力がかかるので、イ
(答え)イ
問3 中心に重心がありません。Cを支点として考えると100×12=1200のモーメントがかかるので、1200÷24=50g
(答え)50g
問4 Dには60g、Cには120gの重さがかかっています。(60×12+120×24)÷24=150g
(答え)150g
問5 Eで50g、Cで150gですから、重心はEから4分の3のところにあるので、Cからは6cm
(答え)6cm
問6 Cから重心が6cmのところにあるので持ち上がるのはE。棒の重さは200gになるので、
Cにかかる重さを【1】とするとDにかかる重さは【2】
200×6=12×【2】【1】=50より 【3】=150g
(答え)記号 E ばねばかりの重さ 150g
第2回 理科 「これでわかる力のつりあい」
ばね、てこ、滑車・輪軸、ふりこ、浮力、斜面の運動と、いわゆる物理範囲を網羅した映像教材です。
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