第131回 進学校と大学受験

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■ 進学校というと、何となく大学受験の塾とそう変わらないのではないか、というイメージをもたれるかもしれません。特に管理型の学校は、成績管理をしたり、順位を発表したりすることはあるので、確かにハードな部分も多少はあるかもしれませんが、しかし、一般的に言えば、それは少数派と言えるでしょう。学校は、毎日子どもたちが生活するところだから、例えば成績順に席を決める、というようなことは有り得ない。むしろそういうことで起こる軋轢に配慮することが多いでしょう。

■ しかも、大学受験に対応する授業というのは、それほど多くはないのです。高校2年以降、理科系、文科系に分かれていく段階では、それぞれの科目について大学受験を念頭にした演習コースをスタートさせるところもありますが、それまでは比較的のんびりしているというか、違う視点で授業が行われます。

■ 大学受験というのは、やはり本人がしっかり自分で勉強できるようになっていないと、できるようにはならない。これは小学生よりはっきりしている。本人が本気になって受験に向かうためにはどうすべきか、ということを考えると、やはりモチベーションをしっかり創り上げていかないといけない。

■ 例えば、理工学部に進学するということは、その専門を勉強したいと思うから受験するわけで、ではその理工学部で何を勉強するのか?ということに対してしっかりとした目標がないと大学受験の勉強には力が入りません。そこで、中学1年生から、いろいろなことをやらせていく。

■ 単にカリキュラムにしたがって勉強させるよりも、例えば理科実験ばかりをやったり、あるいは1冊の本をずっと1年間掘り下げてみたり、ローマ史ばかりを勉強してみたり、ということをやる。つまりこれは学問や研究がどういう形で行われるかを模擬的に体験しているわけです。

■ そういうことは授業にとどまるものではなく、例えば文化祭でもそうだし、あるいは部活もそうでしょう。文化祭で初めて経験した演劇が好きで舞台演出の道に進んだ子もいれば、天体に興味を持って物理学に進む子もいる。何がきっかけとなるか、学校がわかっているわけではありません。それは子どもたちの中に潜んでいるものだから。だからあれこれ形を決めるよりは、自由な活動の中で「これをやりたい」と思ってもらえればいい。

■ 英語や数学はカリキュラム通り進むことが多いでしょうが、それでも何かと工夫がある。そういう中から子どもたちの可能性が引きだせれば、それでいいのです。

■ 学校は塾とは違います。一番根源的な問題をまず解決しなければ、つまり、なぜ大学に進むのか、というところが明確になっていない限り、子どもたちはがんばらない、ということがよくわかっているから、こういう道筋を踏むわけで、それを6年間というスパンでやれるから、やはり中高一貫校には魅力があるわけです。

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