■6年生の算数では、比の学習が中心になってきました。これまでつるかめ算、旅人算などの文章題の解き方を学習してきましたが、これらの問題はほとんどを比で解くことができます。
■比はむしろ一次方程式に近く、5xとおくところを⑤とおいて方程式を立てるようなものなのです。例題で考えてみましょう。「A:B=3:2でお金を持っています。A君が1000円もらったので、二人の所持金の比は2:1になりました最初、B君はいくらもっていましたか。」 B
■この問題はいろいろなとき方があるでしょう。が最初の比を③:②とおくと(③+1000):②=2:1という式ができあがります。したがって内項の積=外項の積ですから②×2=③+100から④=③+1000になりますので①は1000円、したがって②=2000円で答えは2000円となるのです。
■ただこういう話をすると、子どもたちに方程式を教えてしまう方がいらっしゃいます。方程式と比は似て非なるものです。方程式を理解させるためには、正負の数、移項などを学習しなければなりません。ですから教えてあげるのなら、そこからしっかり理解させてください。「これを右に移すと」なんて言われても、その場ですぐわかりませんから当然、時間がかかるはずです。それよりはしっかり比として理解させた方が良いでしょう。解き方は明らかに同じです。ただ、子どもの理解の仕方は方程式と違いますから注意が必要です。
■ただ方程式をしっかり理解できるのならそれはそれで、武器になるでしょう。使いこなせるかどうかが問題なのであって、「その武器を使ってはいけない」わけではありません。記述式で方程式を書いたからといってそれで減点になることはありません。覚える以上は、小手先の理解ではなく、しっかり理解できるように練習すべきでしょう。できるようになったら堂々と使ってください。
(田中 貴)
(2006年4月9日)