やらないものがあってもよい

この時期、本当に忙しいスケジュールをこなしている子どもたちがいます。

塾もあり、個別指導もあり、家庭教師もある。模擬試験があり、学校別の特別授業もある。あちらこちらに出かけているうちに、家で勉強する時間がほとんどなくなってしまう。

「来週までにこれを覚えておいてね」と言っても、

「その時間、いったいどこにあるの?」

ということになりかねません。

残り時間が少なくなってくると、どうしても「あれもやった方がいい」「これも追加した方がいい」と考えたくなります。

あとになって、「あのとき、やっておけばよかった」と後悔したくない、という気持ちもあるでしょう。

しかし、追加したことが逆に仇になることもあります。

ですから、新しい授業を入れるにしても、家庭教師を頼むにしても、

「何のためにやるのか」
「具体的にどんな効果を求めているのか」

ということを、はっきりさせておく必要があります。

例えば、過去問を解いていて、どうしてもわからない問題がある。解説を読んでもよくわからない。塾の先生に質問しようと思っても、質問の列が長くてなかなか聞けない。

それなら、その問題を教えてもらうために先生に来てもらう。

これは目的がはっきりしています。

しかし、せっかく教えてもらったのに、それをもう一度自分で解いたり、理解したことを確認したりする時間がないまま、次の予定に追われてしまうのであれば、少し考え直した方がいい。

それでは、せっかく時間を使っているのに、十分な効果が出ません。

「何となく不安だから、もう少しやれば成績が上がるかもしれない」

という理由だけで予定を増やしていくのは危険です。

つねに、

「何のためにこれをやるのか」
「やった結果、どうなったのか」

を確かめながら、必要なものを選んでいくべきでしょう。

そして、もうひとつ大事なことがあります。

何かを追加するのであれば、その分、やめるものがあってもよいのです。

時間は増えません。

新しいことをひとつ入れるなら、何かをひとつ減らす。

全部やろうとするのではなく、今、本当に必要なことに時間を使う。

この時期は、そういう整理も大事な受験勉強です。