小学生ですから、平方根は使えないので、直角三角形の斜辺の長さは本来は使えません。しかし、これが整数になる場合があり、その代表的な三角形が3:4:5と5:12:13です。
しかし問題では圧倒的に3:4:5が使われることが多く、これは多くの受験生が知っていると思います。
下記は2011年慶應湘南の算数の問題ですが、B’F=12㎝のところで、ピンとくれば、だいぶ平面図形の問題に慣れてきた証拠でしょう。
辺ABの長さが20cm、角Bが90°の直角三角形ABCと、1辺の長さが16cmの正方形ADEFを、図1のように辺ABと辺AFが重なるようにおく。三角形ABCを頂点Aを中心として矢印の方向に回転させ、三角形AB′C′に移したところ、辺AC′と辺AFは重なり、頂点B′は辺EF上にきて、B′F=12cmとなった。
図1
(1)辺BCの長さを求めなさい。
(2)図1のかげのついた部分「あ」の面積は「い」の面積の何倍ですか。
(3)三角形ABCを、図2のように頂点Bが正方形の辺DE上にくるようにさらに回転させた。このとき、かげのついた部分「う」の面積を求めなさい。
図2
(解説と解答)
(1)
AB=20cm ですからAB’も20㎝になります。BがB’に重なったのだから角CAC’と各BAB’は同じになるので三角形ACBと三角形AFB’は相似形です。
FB’=12㎝ですからFB’:AF:AB’=12:16:20=3:4:5
BC:AB:AC=3:4:5よりBC=20×3/4=15㎝ になります。
(2)
おおぎ形ABB’とおおぎ形ACC’も相似になります。そうすると「あ」と「い」も相似になり、その面積比は辺の比×辺の比。
BC:FB’=15:12=5:4 したがって面積は5×5:4×4=25:16
答えは 16/25倍ということになります。
(3)
ACとFEの交点をG、CBとEFの交点をIとおき、CからFEに垂線をおろし、その交点をHとします。
三角形ADBと三角形BEIは相似形になるのでBE=4㎝ BI=5㎝ IE=3㎝
BC=15㎝ですから、IC=10㎝になります。
ここで三角形IBEと三角形HICは相似になるので、HI=6㎝ IC=10㎝ HC=8㎝
同様に三角形AFGと三角形GHCも相似になるので、AG:GC=2:1(=AF:HC=16:8より)
したがって斜線部「う」の面積は20×15×1/2×10/15×1/3=100/3=33 1/3㎝2
HF=7㎝とわかりますから、そこからGHを7/3と出しても答えは出てくるでしょう。
三角形ADBと三角形BEIは相似形であることに気が付き、垂線CHが引けると、あとは問題なく解けると思います。3:4:5はいろいろな問題で出てますので、知っておいて良い知識でしょう。
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