2018年芝中学の問題です。
ベーキングパウダーとはケーキのスポンジやホットケーキなどの小麦粉を使った焼き菓子に「ふくらし粉」として使われる食品添加物です。ベーキングパウダーの中で生地をふべらませるはたらきをするのが「炭酸水素ナトリウム」という物質で、日常生活では「重そう」ともよばれます。炭酸水素ナトリウムは加熱すると、気体を発生する性質があるため、生地がふくらんでふっくらとした仕上がりになります。この性質を確認するために【実験1】を行いました。あとの各問に答えなさい。
【実験1】下の図1のように試験管Aに炭酸水素ナトリウムを入れ、ガスバーナーで加熱しました。加熱により発生した気体をガラス管に通し、石灰水を入れた試験管Bに送りました。
(1)炭酸水素ナトリウムを加熱後、試験管Aの口の内側に液体がついていました。塩化コバルト紙をこの液体につけると、色の変化が見られたため、液体は水であることがわかりました。このとき塩化コバルト紙は何色から何色へ変化しましたか。次の中から最も適当なものを1つ選んで、記号で答えなさい。
(ア)白色から赤色 (イ)白色から青色 (ウ)赤色から黄色 (エ)赤色から青色 (オ)赤色から白色 (力)青色から赤色
(キ)青色から白色 (ク)青色から黄色
(2)発生した気体を試験管Bに送ると、石灰水が白くにごりました。発生した気体は何ですか。漢字で答えなさい。
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(3)【実験I】終了後、ガスバーナーの火を消す前にしなければならないことがあります。それはどのようなことですか。
次に「ふくらし粉」として使われるベーキングパウダーの中には、炭酸水素ナトリウムが100%含まれているわけではありません。その理由としては、炭酸水素ナトリウムが独特の苦みをもつアルカリ性の物質だからです。そのためクエン酸などの酸性の物質を加え、調整したものがベーキングパウダーです。1また炭酸水素ナトリウムとクエン酸などの酸が反応すると実験【1】で発生する気体が出てくるため、さらにふくらみやすくなります。この性質を爆認するために【実験2】を行いました。あとの各問に答えなさい。ただし割り切れないときは四捨五入して小数第一位まで答えなさい。
【実験2】7個のビーカーA~Gに同じ濃度の塩酸を20gずつ入れ、さまざまな重さの炭酸水素ナトリウムを反応させると気体が発生しました。十分に反応させた後、ビーカー内の物質の重さを測定すると、表1のようになりました。
(4)次の(ア)~(カ)の物質に炭酸水素ナトリウムを加えたとき、下線部1と同じ反応をするものはどれですか。次の中から当てはまるものを全て選んで、記号で答えなさい。
(ア)酢 (イ)レモンのしばり汁 (ウ)さとう水
(エ)アンモニア水 (オ)アルコール水 (カ)石けん水
(5) 1 gの炭酸水素ナトリウムが十分に塩酸と反応すると、気鉢は何g発生しますか。
(6)この塩酸20gは、最大で何gの炭酸水素ナトリウムと反応しますか。
(7)塩酸の重さは20gで変えずに、濃度を1.5倍にして【実験2】と同じ実験を行いました。ビーカーB~Gで発生した気体の重さはそれぞれ何gになりますか。下の表2の(ア)~(カ)に数値を入れなさい。
【解説と解答】
(1) 塩化コバルト紙は水があると赤くなりますが、元は青色です。
(答え)カ
(2)石灰水が白くにごったので二酸化炭素です。
(答え)二酸化炭素
(3)ガラス管を試験管Bから外します。石灰水が逆流するのを防ぐためです。
(答え)ガラス管を試験管Bからぬくこと
(4)酸性の水溶液は同じ反応をします。
(答え)ア・イ
(5)Bで20+1-20.6=0.4gになります。
(答え)0.4
(6)Dでは20+3-21.8=1.2g発生していますが、Eは20+4-22.6=1.4gしか発生していないので、0.2g増えているだけですから、3.5g反応したことになります。
(答え)3.5
(7)1gの炭酸水素ナトリウムが完全に反応すると0.4gの気体が発生することに変わりがないので、ウまでは同じです。濃度が1.5倍になったので、3.5×1.5=5.25gまで反応するのでエは0.4×4=1.6
オは0.4×5=2.0ですが、0.4×5.25=2.1gですからカは2.1gになります。
(答え)ア0.4 イ0.8 ウ1.2 エ1.6 オ2.0 カ2.1
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