月別アーカイブ: 2008年12月

第3回 国語の学習の問題点

    3・4年生のとき、一番困るのは国語の読解問題の対処です。
    中学入試で出題される文章は、ほぼ中学生レベルといってよく、3・4年生で読みきれるものではありません。しかし、3・4年生向けに説明文や論説文を書く人はほとんどいないので、学齢にあった教材を見つけることが難しいのです。
    本来はこの段階でもなるべく長い文章を読んでほしいのですが、教材に採録されている文章は著作権の関係もあり、短かったり、古かったり、と多少問題があります。
    ですから、通信講座などを使うのが確かに便利なのですが、科目別に申し込める通信講座というのは今のところ、見当たらず苦しいところです。
    ので、まずは読解に関しては子どもの好きな本を読むというところから始めましょう。

参考「子どもが本を読むようになるには

    もちろん、予習シリーズの文章読解の問題をやっていただくのはかまいません。ただ、そんなに時間はかからないでしょう。ですから、文章を読むということが「当たり前」になるようにしていかないと、子どもたちの文章読解力は上がらないのです。なるべく、図書館にでかけて子どもたちが毎週1冊から2冊の本を読み上げるように、工夫してみてください。
    ただ、漢字についてはいろいろな教材があります。私は学年の壁を越えてどんどん覚えてほしいと思います。おすすめは漢字検定
    できることなら、お父さん、お母さんも挑戦してみたらいいと思うのです。
    家族みんなで漢字検定を受けるというのは、共通の話題ができるし、子どもたちが勉強する習慣につながります。お父さんもお母さんも準備していると、ぜったいにまねしたくなる年頃ですから、いっしょに勉強すると思います。
    最近は私もそうですが、パソコンが漢字を書いてくれるので、いざ自分で書くとなるとえらく苦労することが多いのです。大人も大いに役立ちますから、家族そろって挑戦してみてはいかがでしょうか。
    こんなところから、子どもたちが自ら勉強する姿勢が身についてくれれば、大変すばらしいことだと思います。

第2回 長期的なビジョン

中学受験を組み立てていく中で、大事なのは長期的なビジョンです。

最近は最初のお子さんである場合が多いので、この先どうなるのか?ということがわかりにくいと思いますので、簡単にまとめてみましょう。

  • 3・4年生→算数と国語の基礎力を固める
  • 5年生→4教科の勉強を開始。あまり難しいことはやらない。細かい知識は覚えない。そのかわり確実にカリキュラムを進めていく。平行して第一志望の選定。
  • 6年生→第一志望の学校別傾向に併せて学習を絞り込む。併願校についての対策は不要。むしろ徹底的に第一志望に狙いを定める。
  • というのです。

      まず3・4年生では学校の勉強から中学受験の勉強に切り替わります。以前ですと学校でも十分に計算の練習をしていましたが、今は進行も遅くまた練習量も不十分です。その結果、5年生になって分数や小数を扱う段になって、その計算力不足が露呈してしまうのです。ですから、いたずらに勉強範囲を広げるのではなく、確実に計算力を養う時期にすべきでしょう。
      5年生で4教科をスタートさせます。ここから学習する範囲が入学試験には出題されます。ただ、あまり難しい範囲までは勉強しない。ここであまり難しいことをやっても、まだ空回りする可能性があるのと、実際に受験する学校によってはいらないという範囲もでてくるからです。むしろ広く浅く学習する。そして基礎はしっかり固めるという感じがいいでしょう。理社の細かい知識も覚える必要はありません。どうせ、忘れますから。ただ勉強をしていきながら、興味は広がってほしいと思います。たとえば歴史の本を読むとか、理科の実験をしてみるとか、そういう勉強を中心にしましょう。
      親の方は、子どもたちの進行状況をみながら、どこを第一志望にするか、候補を考えてください。5年生の秋に、学校の説明会には行くべきです。6年生はもう絞り込んだ後ですから、受ける学校だけ聞きにいけばいい。むしろ5年の段階でいろいろな情報を集め、子どもに合う学校を選んでください。これは親の大事な仕事です。
      6年になったら、第一志望に向けての学習を開始します。塾に行くと、これが遅いのです。いろいろな学校を前提として組み立てるから致し方ない部分はありますが、しかし、学校でいえば4年分ぐらいの勉強を一気にするのですから、省けるところはどんどん省くのがいい。たとえば算数の問題を見ていて8題以上、答えの数で12問以上出る学校というのは、あまり難しい問題は必要ありません。というのも例えば45分で解答数が12とすると1解答あたり4分ありません。ということは、そんなに時間がかけられないのだから難しい問題はでないでしょう。逆に5問以下である場合は、これは1問あたり10分近くかかるので、じっくり考える勉強に特化していく必要があるわけです。国語についても記述が必要であれば、その練習をしないといけないでしょう。つまり6年生の春からは、第一志望にある程度特化した学習の優先順位を組み立てていくことが必要なのです。
      ただ第一志望が決まってしまえば、傾向もはっきりするわけだから、対策はきわめて具体的になるでしょう。
      という話をしますと、「先生、併願校の対策は?」ということになってきます。東京、神奈川の場合ですが、最近は受験日程が絞られてきているので本気で受ける学校は1校か2校でしょう。滑り止めは、確実に合格する学校を親が選べばいいので、対策は不要です。となれば、第一志望と第二志望を考えればいいでしょう。そのうち夏休み前までは第一志望中心でいいのではないでしょうか。で、第一志望と第二志望の傾向が違っていれば、第二については夏休み以降勉強に加えていきましょう。ただ、やはり中心は第一志望の学校に併せていくのがいいと思います。

    そうすると大分やる勉強が絞れてくるでしょう。

      塾にいくタイミングは4年3学期。それまでにしっかりとした基礎力をつけていれば、何の問題もありません。
      で5年のうちは週1回か週2回。まだ習い事は続けられるペースでいいと思います。3・4年生のうちから、自宅で勉強するくせがついていれば、それでも十分に受験準備はできるでしょう。

    第1回 テキスト

    中学受験を自宅でスタートさせようと思うと、何を中心に勉強するか?という問題がまず出てくるでしょう。
    実際に大手の塾のカリキュラムとその発表具合を見てみましょうか。

    四谷大塚 スタート 3年3学期 中心テキスト 予習シリーズ テスト 公開あり
    SAPIX スタート 1年生からもあるが、基本的には3年生から 中心テキスト オリジナルプリント(デイリーサピックスなど) テスト 6年生で一部公開
    日能研 スタート 3年3学期 中心テキスト 自社教材(販売はなし) テスト 公開あり

    で結論から先にいうと、テキストを販売しているのは四谷大塚だけです。一部各塾で発売されている問題集はありますが、方針としては内部生向けに特化しているのがSAPIXと日能研でしょう。日能研は今後、準拠の塾を作っていく動きはあるようですが、まだ公開に向かっているようには見えません。

    ということは、四谷大塚の予習シリーズを使うのが今は一番ということになります。

    私の塾でも四谷のカリキュラムに準じていますが、なぜかといえばやはり予習シリーズがいいからです。特に理科と社会は文句がありません。他の参考書や問題集に抜きんじて良い。写真にしても、教え方にしても大変よく考えられています。

    もともと四谷大塚はテスト会なので、教材とテストはすばらしいと思います。合不合にしても、ちゃんと追跡調査をして、実際にどのくらいの子どもたちが合格していったのか、結果とリンクしてデータを作っているので、私もやはりこれを一番参考にしています。

    だから、まず予習シリーズをそろえるのがいいでしょう。いつから始めるかですが、四谷の教材はいろいろありますが、私ははなまるリトルはおいといて、自宅でやるのであればジュニア予習シリーズぐらいからでいいのではないかと思います。ただし、算数に関しては絶対的に計算の練習量が不足するので、それを補う教材は必要でしょう。

    国語は別にお話しますが、ある理由によって良い教材は3・4年生ではみつかりません。なので、これをやるかあるいは別の方法を考えてもいいかもしれません。

    その他、自宅学習の中心にすえるものとして通信教育があります。これはもうZ会が断然いいです。縁あって、私も会報に連載をさせてもらっていましたが、教材を本当にていねいに作ってあるし、添削もある。3・4年生から受験コースが始まるので、これを利用するといいでしょう。

    四谷大塚通信くらぶが4年生から始まります。これも悪くはないでしょう。テキストがしっかりしている分、毎週のテストは受けやすいかもしれません。ただ、まあ毎週である必要もないか?という部分もありますが。

    日能研にも知の翼というのがあります。これは月1回の添削。でもメインのテキストが公開されていないので、やはり後々どうつながっていくのか、見えない部分はありますね。

    SAPIXにも4年生までピグマキッズくらぶという通信教育がありますが、これは4年生で終了なので、先につながらないということで今回は対象からはずしましょう。

    私としては、やはり四谷大塚の予習シリーズで始めたいところです。ただし、毎週のテストはまだやらなくてもいいでしょう。まずは自分の学習のペースを作ることが大事ですから、3年生にしろ、4年生にしろ、該当学年の予習シリーズをまずそろえることから始めましょう。

    予習シリーズはインターネットでも買えますから、すぐ手に入ります。本で買える安心感はいいですね。

    ただし、算数と国語の2教科だけそろえればいいです。理由はDVD第1回母親講座でお話しましたが,結論を先に言えば、それが中学受験に直結しないからです。
    そんな時間があるなら、サッカーでも野球でもバレーでも、今まで続けてきた習い事をやってください。