2015年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

月例・組み分けテストを受けないという選択肢

大手の塾に行けば、毎月のカリキュラムは決まっているし、それに合わせて月例テストが行われる。名前はいろいろでしょうが、月1回。それで順位が決まり、クラスが決まり、席が決まるでしょう。

で、これは避けられない。必ず受けるようになっています。2回続けて受けないと、クラス落ちが自動的にされる。だからみなさん受けるわけですが、しかし、成績が上がらないと毎月、「だめだー」「だめだー」と言われ続けるようなものだから、子どもたちの自信ができないし、やる気もおきない。

それが長期にわたってくると、親も子も疲れ果ててくることになるのです。

中学受験は長年、『競争のプラットフォーム』の上で行われてきました。最初はテスト会。テスト会は、毎週テストだけをやります。自分で勉強してくる、そして日曜日にはテストを受けて、その出来を競う。偏差値などという言葉が生まれたのはずいぶん後の話だったと思いますが、日本進学教室とか四谷大塚進学教室、というテスト会が生徒を集めていました。しかし、やがてこのプラットフォームは塾の中に組み込まれるようになります。塾の中でカリキュラムを勉強し、塾の中で競争する。塾としてはなるべく競争が厳しくなる方が良いので、教室を展開し、生徒を集める。そしてその中で競争する。これが現状のシステムでしょう。

成績が上位であれば、気分もいいし、次に向かってがんばろうという気にもなるが、実はこのシステムは勝者のためのシステムです。勝者には学校別も優秀な先生も手厚いフォローも出てくるが、そうでなければみんな同じフォローで終わってしまう。

で、このプラットフォームにいないと受験にならない、と考えている方が多いのではないかと思うのです。確かにそれは一理ある。うまくいけば、こんなに大事にされることはありませんから。中には月謝まで免除してくれる塾がありますからね。

しかし、うまくいかないとなると、これは大変になるわけです。で、そういうときに撤退してしまう、という選択肢が本当はほしい。しばらく、月例も組み分けも結構。自分で自分なりにやり直してみる。そんな時間が本当はほしい。しかし、システムは許しません。塾をやめるしかなくなる。しかし、それでいいのか不安になるから、親も子もつい続けてしまう。でも結果がなかなか良くならないのです。

私はそういう場合は塾をやめて、まず自分で家でできることから始めた方が良いと思います。すでに洪水のごとく「やらなければいけない」ことを与えられてうんざりしているはずです。だったら、「やらなくていいこと」を決めてしまう。そしてこれだけはやってまず「成果を出す」ことです。別にテストなんか受けなくても成果はわかります。まとめの問題のところで10題中8題できれば、それはわかった、ということになるでしょうから。

成績が悪い期間があまり長くならないうちに、次の方法を考えてあげた方が良いでしょう。「なかなか入れない塾に入れたのだから」と思っておられる方がいたとしたら、それは大きな間違い。「むしろ合わない塾に入ってしまって失敗を積み重ねている」だけなのです。

子どもは自信ができ、やる気になれば伸びます。しかし、自信がないうちは勉強にも意欲がわかないし、がんばらない。だから、しんどくなってしまうのです。どこかでこの悪循環をたたき切る必要があります。そのために一度撤退する、ということは充分にありだと思うのです。

塾をやめること=中学受験をやめること

ではありません。

==============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

出席日数が少なくても大丈夫?
==============================================================
中学受験 算数オンライン塾

11月9日の問題
==============================================================

==============================================================
お知らせ
算数4年後期第12回 算数オンライン塾「消去算」をリリースしました。
詳しくはこちらから
==============================================================

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村


帰国子女入試

今から20年ほど前は、帰国子女の入試はほとんどありませんでした。

海外で受験準備はなかなか難しかった。だいたい、日本人学校が海外では少ない時期です。多くの子どもたちが現地校に通う。だから現地のことばを勉強するのがまず最初。中学受験の準備なんてままならない。だから合格するのは大変難しかったのです。

しかし、だんだん学校側が帰国子女の入試を行ってくれるようになりました。

帰国子女の枠をつくった理由は大きく分けて3つあります。

1 英語ができる。

帰国子女が英語ができるとは限らないが、英語ができるなら、大学入試の戦力になるのは間違いないので、他の教科は学校で鍛えれば良いと考えて帰国子女入試をする。

2 いろいろなキャリアの子を入れる。

日本国内で、塾を中心に勉強した子ばかりだと単一化してしまう。いろいろな個性がいれば、子ども同士で影響が大きくなる。

3 枠を埋める

日本国内でなかなか埋まらないので、特別枠を設けて受け入れてしまおう。

ということであったのですが、結局1と2が大きい。特に2は、学校のスクールカラーを多様化させました。慶應湘南、渋谷渋谷などはその好例かもしれません。

この過程で帰国子女の枠を止めてしまう学校もありました。英語の能力がばらばらで対応できない、とか。あるいは国内生と比べれば自由な発想をする子どもたちを管理できないとか。逆にそれを乗り越えてきた学校は帰国子女の対応がしっかりできるノウハウを身につけているので、今は安心して預けられるでしょう。

海外の事情も変わってきました。まず、海外に日本人向けの塾ができた。これはいろいろな都市で見かけます。勿論田舎にはあまりない。大都市ばかりではあるものの、こういうところで受験勉強ができるようになった。インターネットでも動画で勉強できるので、間違いなく便利になったでしょう。

一方。企業側では受験期の子どもを持つ親に対しては赴任させない傾向が出てきました。もしくは単身赴任。家族の行き帰りの費用を考えると、家族で行く赴任はなるべく子どもが小さいうちがいい、と人事部が考えてるのでしょう。だから、帰国子女入試の人数はここのところ、それほど増えていない。

ただ、英語ができるのであれば、無理して中学受験をする必要がないのは事実です。高校受験の場合、私立は英語、数学、国語。数学も大きいが、実は英語も差が出ます。だから私立の帰国枠で受けず、一般枠で受けた方が有利な場合もあります。海外に赴任すると日本人のコミュニティーの力が強く、何となく「受験しなきゃいけないのではないか」と思いがちなのですが、せっかく海外体験ができるのだから、もう少し他の可能性も考えていった方が良いでしょう。

東大も秋入学を決めているので、これから大学は世界レベルで選ぶ時代になっていくかもしれません。そうなると、大学入試もまたいろいろな方法がありますから、まずは現状を良く調べて、中学で戻るのかを考えた方が良いでしょう。

=============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

頑固な子
==============================================================
今日の慶應義塾進学情報

「子どもを慶應義塾諸学校に入れる」がkoboでお読みいただけます。
==============================================================

==============================================================
お知らせ
算数4年後期第11回 算数オンライン塾「分数の積と商」をリリースしました。
詳しくはこちらから
==============================================================

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村


公立一貫校は人気です。

公立一貫校が人気を集めています。その理由を考えてみると

1 公立ですから月謝が安い。
多少ばらつきはあるものの、初年度20万円未満という学校も多いので、経済的負担は私立に比べて明らかに低いでしょう。

2 そこそこ大学の合格実績が出始めている。
白鷗高校の1期生が11年春に卒業。この中から5人の東大合格者が出て、さらに各学校で比較的良い合格実績が続いています。

3 準備期間が短い。
私立の中学入試と違うのは、学力テストであるということ。つまり、細かい知識が求められるのではありません。PISA型といってもいいでしょうが、したがってそれほど長い準備期間は要らない。また、細かいことが多くはないので1週間にそう何回も塾に行かなくていい。だから私立の対策に比べて負担が少ない。塾の費用も半額ぐらいにおさえられる。

だから、まあ、人気が出ても仕方がない面はあります。

ただ、すごい倍率になっているのも事実。

東京都でいえば、学校数が10校に増えた10年春から志願者数は1万人前後で推移しています。定員は10校合計で約1400人。倍率はここ数年、7倍台ですから、御三家の倍ぐらいにはなっているわけです。

で、私立受験組が2月3日に公立一貫校を受ける流れも出てきたそうで、ますます厳しくはなっている。一方私立は受験者が減少することになるので、ここにきて公立と同じPISA型の入試を行うところも出てきました。

これだと、私立対策をしなくとも、公立と併願できる。実際、公立一貫と併願できる学校は今までなかったので、公立一貫の受験はそこが弱点といえば弱点だったのですが、私立が入試を変えれば、また選択肢も広がるわけでしょう。

これまでは私立へ、という流れが強かったものの、ゆとり教育は終わり、公立一貫もあり、また公立高校の大学受験実績も回復の兆しを見せているので、選択肢は広がりました。

しっかり、いろいろな情報を集めてお子さんに合った方向性を考えてあげてください。

=============================================================
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法、本日の記事は

自立した学習者をめざす
==============================================================
今日の慶應義塾進学情報

普通部の合格発表は2月3日に戻ります。
==============================================================

==============================================================
お知らせ
算数4年後期第9回 算数オンライン塾「方陣算」をリリースしました。
詳しくはこちらから
==============================================================

にほんブログ村 受験ブログ 中学受験(塾・指導・勉強法)へ
にほんブログ村