2013年受験に向けて」カテゴリーアーカイブ

転塾

4年生から塾を始めて、同じ塾に最後まで通い受験を迎えた子どももいれば、その間に何回か塾を変えた子どももいます。

一度塾に通い始めたとしても、その塾のやり方が子どもに合うか、子どもの成績が上がっていくのか、ということを親はよく考えておかなければいけません。

大きい塾は大きい塾のメリットがあります。一方で地元で一教室だけでやっている小さな塾にもそれなりのメリットがあります。

大きい塾のメリットは何といっても競争、でしょう。切磋琢磨というべきでしょうか。毎月の組み分けテストや模擬試験、一喜一憂するべきではないものの、そこでどのくらいの成績をあげられるか、目標となる学校への到達度が明確にわかります。しかもライバルは同じ教室にもたくさん、いる。大手の大型教室になると、1教室に6年生が300名ぐらいはいますからその分だけ競争も厳しい。ただその切磋琢磨の中で子どもの成長が促されていく面があります。
ただ、組分けがある分、先生が固定化されない。同じ先生にずっと教えてもらえるのは、わずかでしょう。
「うちの子を教えたことのない先生に進学指導をされた」経験者もいらっしゃるのではないでしょうか。

一方で地元の塾は、1学年が10名から多くて30名前後。クラス分けをする、というのもなかなか難しい。だから同じクラスで勉強する。その分、先生は固定化されます。どちらかといえば和気あいあい。しかし、同じ先生にずっと見てもらえる安心感はあるでしょう。

どちらがいいのか、どちらもそれなりに子どもたちを伸ばしてくれる環境ではあるのです。ただ、合わなかったり、成績が伸びていなければやはり親としては考える必要があります。

早い塾だとそろそろ受験カリキュラムが一段落しているでしょう。残り1年、この塾でがんばるのか、それとも転塾するのか。

転塾は子どもが新しい塾に慣れるまで多少時間がかかります。また子どもは今の塾を変えるということについては、ネガティブになりやすい。あまりいやなことがない限り、「今の塾でいい」と言うでしょう。

しかし、少なくとも2年近く通って成績が上がらず、目標に近づいていかない、というのであれば親は考えるべきだと思います。

別に大きい塾から小さい塾へ、だけではなく、逆もありです。大きい塾はデータも豊富ですから、学校別傾向を的確に把握しているし、その分の指導も専門化される。小さい塾は面倒見は良いが、先生がいろいろなことをやらないといけない分、わが子の目標校に長けているか、というとそうではない部分もあるでしょうから。

転塾の機会でいうと、新6年生の春が一番多いようです。次が6年生の夏休み前。

すでに動き始めた2013年の中学受験。あと1年という時期に塾をもう一度見直してみてください。ここである程度、「よし、この塾であと1年がんばろう」と親子とも覚悟を決めていくのが望ましいと思います。

<参考記事>
第一志望は早めに決める

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自分で図を書く

新6年生は図形の問題を考える機会がこれから、増えてくると思います。

今年も各中学で図形の問題はたくさん、出題されました。最近の図形問題は、相似を利用したり、図形を組み合わせたり、なかなか難しい問題が増えました。

図形の問題を考える上で、案外見過ごされているなと思うのが、「自分で図を書く」という力です。

例えば立体の切断面はどこを通るのか、というような問題は単に問題に書かれている図だけではなかなか解けない。自分で違う図を書いて検討する必要があるでしょう。

ところが、最近はテキストやプリントで図が描かれているので、例えば先生の書いた黒板の図を写すという作業が以前に比べて減っています。その結果として自分で図を書く力がなかなか発達してこない。

ノートをとらなくても、プリントの解説さえあれば、大丈夫、という考え方は危険です。

つまり、子どもが自分で図を書く機会を失わせてしまう。

自分で書けるようになるのには、まずは何かを真似て書く練習をする必要があるわけで、だから塾の授業で先生の板書を写す手間は大事なステップなのです。

しかし、最初のうちは、図を書くのに時間がかかるでしょう。横で見ているとイライラするかもしれませんね。

でも、その時間をかけるからこそ、できるようになる。

4年生の算数の授業で、私は良く子どもたちに立方体の図を書かせていました。空間の基礎を学ぶためですが、しかし、本来この辺とこの辺は平行にならなければいけないのに、子どもたちの図はとんでもない方向に飛んで行き、できあがった立方体はつぶれたり、ゆがんだりします。

つぶれたりゆがんだりする、ということは正確に考えられなくなるわけで、だから最初に書けるようにすることは大事なことです。

実際に「立方体」の書き方を教えます。

この線とこの線は平行にして・・・、いくつかのステップを忠実に再現すれば、きれいな立方体が書けるようになるでしょう。こういう積み重ねこそ、4年生のときにやるべきことなのです。

今は、そういうことに時間をかけられるときですから、かけてください。

そして自分で図がかけるようになったら、ほめてあげてほしいと思います。この力が難しい図形の問題を解く最初の一歩なのですから。

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新学年、最初の1週間の落とし穴

塾の新学年が始まりました。

新たに塾に通いはじめる場合もあるでしょうし、日数が増えた場合もあるでしょう。

今週はまずその生活に慣れ、新しい先生と話をする、という緊張する1週間かもしれませんが、それと並行して1週間の学習計画を立てて、実行していく初めての週でもあります。

どのくらいの宿題が出るのか、復習はどのくらいの時間がかかるのか。先生から具体的な勉強の指示も出ているでしょう。それを実際にやってみて、どのくらいの時間がかかるのか。終わるのか、終わらないのか。

「全然楽勝。」

という場合はまだしも、

「まったく時間が不足してしまう」

という場合が多いと思います。特に新6年生。

「いよいよ、君たちの番だぞ」とハッパをかけられ、テキストも厚く、やる問題や宿題も多い。毎年のことですが、ここで日々の勉強に追われる感じがどうしてもしてしまいがち。

だから計画表を立てましょう。

週間計画は、まずやることをすべて書き出すことから始めます。

最近の進学塾は教科の先生が全部違う。国語の先生は国語だけ、算数の先生は算数だけ。その分、やる分量は増えやすい。教科間の調整なんてまずありませんから。(塾というのはそういう意味では縦組織で、同じ教務部でも教科の間の壁は結構厚かったりするのです。)

それをぜーんぶ書き出してみます。

次に実際に勉強できる時間を割り出します。学校からは何時にもどり、土日はどのくらい勉強して・・・と。

で次に書き出したすべてに優先順位をつける。これが子どもには難しい。だって先生に「やれ」と言われたことはすべて「やらないといけない」から。

でもねえ、塾で教科間の調整がない以上、やる側で調整するしかないんです。だから、ここはお父さん、お母さんの大事な出番です。

優先順位をつける。

そして優先順位の高い順に勉強時間を割り当てます。8割入ったら上出来でしょう。(つまり全部できる、というのはすでに難しいということです。)

「でもやんなきゃいけないんだ」

という場合もあるでしょうが、全体のバランスを見て親が判断しましょう。これは子どもにはできないのです。塾の先生と相談することも、大事です。

この最初のペースづくりに失敗するとオーバーヒートになりやすい。結果として

「この塾は嫌い」とか「勉強したくない」が始まります。

案外、つまづきはこんなところから始まります。だからこの1週間がまず大事だと思って、良く子どもたちの様子を見てあげてください。

この週末はしっかり計画表を作ってみましょう。

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「映像教材、これでわかる数の問題」(田中貴)

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