学力を上げるこの一問」カテゴリーアーカイブ

第12回 熱量に関する問題

■1gの水を1度上げるのに必要な熱量を1cal(カロリー)といいいます。今日はこのカロリーを使って計算問題を解いてみましょう。

■例えば40℃の水100gが持っている熱量は40×100=4000calと計算できます。80℃の水400gが持っている熱量は80×400=32000calとなります。ではこれをまぜると何度になるでしょうか?

■熱量の合計は4000+32000=36000calになります。水は合計で100g+400g=500gですから36000÷500=72℃ということになるわけです。さて、ここで一つ条件を加えましょう。0℃1gの氷が0℃1gの水になるのには16℃の水5gが必要です。そこで問題。

■0℃50gの氷を40℃450gの水に入れると何度になるでしょうか?

■0℃50gの氷を0℃の水に戻すのには 16×5×50=4000calの熱が必要ですから、これがなくなります。このなくなる熱のことを融解熱といいます。40℃450gの水は、40×450=18000calの熱量を持っていましたから、18000-4000=14000calしか熱量は残りません。したがって14000÷(50+450)=28℃という答えになるのです。

(平成18年4月7日)

第11回 短歌に関する問題

■短歌は、入学試験ではあまり出題されない分野になりました。しかし、短歌や俳句を楽しむ方は最近増加しているそうです。短歌や俳句はその場の気持ちや情景を短い文章に写しとるという楽しみがあるのです。これは創る楽しみですが、読むにも楽しみ方があります。

■ 短歌は31音であらわす短い詩です。その短い詩をさらに膨らまして情景や心情を説明する文章をつくってみましょう。

■【例題】馬鈴薯(ばれいしょ)のうす紫の花に降る 雨を思えり 都の雨に (石川啄木)

【解答例】ふと部屋から外をのぞくと雨がふっていた。決して強い雨ではない。庭木の葉に雨のしずくがつたわっている。そういえば、ふるさとにいたころ、この季節は馬鈴薯(ばれいしょ、じゃがいものこと)のうすむらさきの花に、よく雨がふっていたな。みんなどうしてるかなあ、ふとふるさとを思い出した。

■中学生にはもう少し発展させて、短い小説を書いてもらいました。ストーリーがあって、最後に短歌がでてくるのです。結構良い作品がたくさんできていました。短歌、俳句は短いことばに気持ちをこめています。そこを膨らましてさらに情景を想像していくとまた違った面が感じられることでしょう。

■(問題)次の短歌のあらわす情景を160字以上200字以内で説明しなさい。

こどもらと 手まりつきつつ この里に あそぶ春日は くれずともよし (良寛)

(平成18年4月6日)

第10回 図形に関する問題

■今日は面積を求める問題です。

下の図で斜線部の面積を求めなさい。

■この問題、条件が不足しているわけではありません。6年生の子どもたちがこの問題を解くと、相似形の問題に見えますからどうしてもあとひとつ数字がほしいところです。しかしこれは等積移動の問題です。

■斜線部と同じ面積の図形がこの図の中に含まれています。

■ おわかりいただけたでしょうか。斜線部の面積は三角形DBFと同じなのです。三角形DBCと三角形EBCは同じ面積です。そこから三角形FBCを引けば三角形DBFと三角形EFCになるわけですから、この2つの三角形は同じ面積になるわけです。したがって答えは2×8÷2=8ということで答えは8平方センチメートルになります。

(平成18年4月5日)