まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第47回 第一志望校に合格する要素 

■今年の受験生を振り返ってみて、第一志望校に合格する要素はなんだろうかと改めて考えてみました。

■まず1番は、その学校に入りたいという気持ち。多少成績が悪かろうと、自分の志望校はここだという気持ちがしっかりしている子は、まず合格の可能性が高いと思うのです。入れる学校ならどこでもいいやという気持ちではなかなか力がついていかないでしょう。どうしてもここに入りたいという気持ちが強ければ強いほど努力もするし、その成果が現れやすくなるでしょう。

■2番目は、わからないことをごまかさない子。プライドの高い子は、「自分ができない」ということをあまり認めたがらない傾向にあります。これは不安の裏返しの面が大きいと思うのですが、しかしその結果として本当にわかってないことでも「わかった」とごまかしてしまうことがあるわけで、こういう子はやはり失敗する可能性がでてきます。わからない、できないということを認めてそれを何とかしたいと思うことがむしろ大事でしょう。

■3番目はやはりていねいさ。私は最近進学塾が子どもたちにやらせている学習量は過剰だと思っているのですが、その結果としてていねいに学習する習慣がなかなかつきません。どんなにたくさんの問題を解いたところで、それがいい加減であるならば力はつかないのです。逆に真剣に考えた問題が一問でもあれば、それを考える過程で学力はついていくことになります。7割の問題に手を出してそれが満点だった70点がいいのです。全部手を付けて7割できる子は、本番では7割とれないことが多い。それだけ本番はプレッシャーが強いのです。

■この3つの要素を持っていた子どもは、確かに全員が第一志望に入っていきました。逆にどこかが欠けていると、何らかの問題が生じて第一志望に届かないということがおきたように思います。土台、第一志望というのは楽々入れるというものではありません。自分の成績から考えるとやはり挑戦する感じになるでしょう。冷静に見ればそれだけ合格する可能性も大きくはないのですが、それをひっくり返すのは以上の3点のように思います。

(田中 貴)

(2006年4月2日)

第46回 やることを絞る 

■新しい学年が始まってスケジュールもタイトになってきました。やらなければいけないことが一気に増えたのではないかと思います。あれもやらなければ、これもやらなければと気ばかり焦るものの、こどもの呑気さに腹が立つことも多いのではないでしょうか?

■特に算数は学年が上がると一気に問題数が増えます。テーマも増え、問題の難度も幅広くなるので、本当に理解できているか疑心暗鬼になるところではないでしょうか。つい同じような問題を繰り返しやらせたりしてしまうものです。しかしそれは子どもたちの意欲を削ぐ可能性もあるので注意が必要です。

■学習計画を立てることによって、まずやる問題を絞ってください。実際に多くの問題がテキストに入っているでしょう。どれをやれば良いかわからない場合は、塾の先生に相談してください。たくさんあってもすべてやらなければいけないわけではありません。子ども子どもで状況によって優先する問題は違いますから、確認してあげると良いでしょう。

■そういう話をすると国語の勉強が一番後回しになりがちですが、それはあまり感心しません。確かに毎週あるテストのことを考えると、社会や理科を優先したいところですが、国語の勉強は全部の教科の基礎になりますから、あまりてはぬけないのです。沢山の時間をかけなくても構いませんが、確実に一週間の計画に加えるようにしてください。

■さて一応計画は絞れた訳ですか、これで安心というわけではありません。状況に応じて適宜見直してください。成績によっては、さらに絞らなければいけない場合もありますし、逆に余裕ができて学習内容をふくらませることもできるでしょう。常に柔軟に考えながら計画的な学習を心がけてください。

(田中 貴)

(2006年3月27日)

第45回 音読をさせてみる 

■最近、お子さんが文章を音読するのを聞かれたことがありますか?もしなければ、ぜひ読んでもらってください。文章の音読は実は子どもたちの読解力を端的にあらわす指標なのです。たどたどしい音読をする子は、十分に文章の意味をつかめていないでしょう。多くのことばがわからないために、意味を理解できないのです。

■子どもは自分の言語体系を耳から作っていきます。ことばを耳から覚えていくわけですね。最初は、お母さんや兄弟の会話に接してだんだんことばを覚えていきます。だから方言も伝わっていくわけで、これはある意味口移しで伝わってきているわけです。

■小さいときに絵本の読み聞かせをしてあげることも非常に重要です。ここでお母さんの声で子どもにことばが伝えられるので、子どもは語彙を広げることができるのです。ところが最近の子どもたちはテレビから語彙を広げています。子どもたちの会話とバラエティ番組の出演者の会話を比べてみてください。結構似てきているはずだと思います。

■ところが子どもたちが読む文章の語調や語彙は、テレビのそれとは違います。したがって「僕敵には、すてきだと思いますけど」という表現はわかっても「偉業としてたたえられています」という表現はわからないということになるのです。ではどうすればいいでしょうか。私は横からどんどん教えてあげてほしいと思います。「偉業はね。立派な仕事っていう意味ね」そしてその文章の意味をしっかりとらえてから問題を解かせてあげてください。そうすると、理解はかなり良くなるでしょう。

■とはいっても、すぐ力がつくわけではありません。ですから、毎週国語をやる時間を決めて、まず子どもに文章を音読させ、その横からことばの意味をどんどん教えていってあげてください。この積み重ねで国語ばかりでなく、算数や理科社会の問題文の意味をしっかり理解できるようになるでしょう

(田中 貴)

(2006年3月19日)