まだまだ母親講座」カテゴリーアーカイブ

第4回 できることから確実に

■最近のカリキュラムは以前にくらべて早くなっているというお話をしました。その一方で子どもの精神年齢は少子化が影響して確実に幼くなってきています。最近の感覚ではやはり1年くらいは幼いという印象を受けます。特に男の子はそうですね。

■いきおい、以前より早くなったカリキュラムを精神年齢が幼くなった子どもたちが学習するというところに無理が出てきています。実際に入試の成績も年々下がっている傾向が見られており、本当に力がついていっているのか、受験狂想曲ばかりが目立っているように感じられます。

■最近メールをいただく中で一番多いご相談が「ついていけない」です。「こんなにたくさんのことをやらないと合格しないのでしょうか」とか「こんなにできないなんて、うちの子は中学受験は無理ではないのでしょうか」というご相談が圧倒的に多くなりました。きっと悩まれているお母さんは少なくないでしょう。ですから、まず「ついていけないから中学受験は無理」と親が絶対思ってはいけないのです。

■山の登り方はいくらでもあります。塾では「このくらいの時期にこれくらいのことができなければ合格しません」と気合をこめて言いますが、そういう子もいればそうでない子もいるのです。親はたくさんの子どもを見ているわけではないので、自分の子どもだけ考えればいいのです。うちの合格のさせ方はどうすればいいかであって、あわててはいけません。

■今の時期はとにかく基礎をしっかり固めることと、できることを少しずつ増やすことです。最初から実行不可能な計画をたてて学習しても、効果はでません。本人が達成感のある量を確実にこなすようにしてあげてください。(田中 貴)

(2005年4月15日)

第3回 勉強するのは当たり前?

■小学生は決して体力があるわけではありません。したがって試験前に1日10時間勉強するというのは、困難です。そこで最近は受験準備期間が長くなる傾向にあるわけですが、例えば2年生や3年生が受験勉強をしようと思っても、まだまだわからないことばかりですからやはり多少なりとも学力がついてきてからでないと、受験準備をすることができません。

■したがって実際に受験準備ができるのは5年生から6年生の2年間になるわけですが、だからといって体力面から考えても1日長時間勉強することは難しくなります。そこで、とにかく毎日勉強する、勉強するのが当たり前という習慣をつけていかなければならないことになるわけです。

■勉強するのが何か特別のことになってしまうと、家で勉強するのは大変になります。だから毎日少しでもいいから机の前にすわって、勉強するという習慣をつけるべきなのです。この習慣づくりに一番あっているのが算数の一行問題や計算、漢字です。

■これらの基礎力はやはり毎日コツコツやっていくことで本当の力になります。ですから朝起きたらまず計算をやるとか、帰ってきたら漢字の練習をするとか、スタートしやすい勉強から始めさせるとよいでしょう。

■少し頭が動き出したら、今度は他の教科に進んでください。そしてとにかく毎日少しでもいいから勉強するという習慣を早めにつけていくことが大事だと思います。小学生の受験はこのわずかな時間の、しかし毎日やる積み重ねが非常に大きな差につながってきます。(田中 貴)

(2005年4月8日)

第2回 算数のノート

■算数の問題をとくときに、非常に小さなスペースで解く子がたまにいます。こういう子は最初のうちはできますが、やがて問題が複雑になってくるにつれてミスを連発するようになります。解く過程が面倒なので、ミスがおきやすいのですが、小さく書くとそれをみつけにくくなります。

■そこで私はノートはなるだけ大きく使うということを子どもたちに勧めてきました。基本的には1問1ページ。もちろん計算問題などは何題かまとめてやってもいいのですが、文章題は基本的に1問1ページです。

■そうすると、かなりのスペースを使うことができますから、図やグラフもかけるし、その後解説を写したりすることもできます。また計算のスペースもとることができますから、たて型の計算式も書くことができます。

■まだ勉強が始まったばかりのころには方眼のノートをすすめます。これはマス目がはいっているので、グラフや表をかくときにも便利です。子どもたちがグラフや図をかけるようになるためには、まず最初に授業の解説や参考書、問題集から写す作業を実際にやることです。そうすれば、この線が何を意味しているのか、わかりやすくなります。

■参考書や問題集の解説を読むだけでは、なかなか力がつきません。解説を写したり、もう一度解きなおしたり、自分の机で自分のペースでやることによって、確実に考える力がついいてくるのですから、たくさんの問題をやらせようと思わず、じっくり取り組ませてあげてください。(田中 貴)

(2005年3月29日)