はたまた母親講座」カテゴリーアーカイブ

第15回 夏休みの勉強法(1)

■各塾では、今、夏期講習の受付が行われています。ただ、講習はよく検討してみなければなりません。特に6年生は、まとまってとれる最後の休みですから、しっかりとした計画が必要です。

■子どもひとりひとりに得手不得手が出ていますから、それをしっかりと補う勉強をまず考えます。夏前に一通り、受験カリキュラムはすべて出てきていますが、毎週毎週新たなことを勉強してきたわけですから、当然、前のことを忘れていたり、よく理解していない点があるはずです。そこをまず勉強します。
■そのためには、お母さんが子どもと相談して、何が不得意かをしっかり見極めなければなりません。テストのデーターも大事ですが、子ども自身が自信のないものはわかっていますから、しっかり聞き出してください。
■この不得手の分野を克服する方法は、自宅学習です。塾で開かれる講習会は、テーマが絞られていれば、まだ良いですが、だいたいはコースになっているため、必要なところは得意なところも不得意なところもやります。しかし、夏休みは長いといっても時間は決まっています。ですから、できるところに時間をかけるのは、ある意味効率が悪いのです。
■本来大事なのは自学自習です。わからない分野を、参考書なり、問題集なりを使ってまず自分で勉強してみるという姿勢は大切だと思います。中学に入ってからも勉強は続きます。自分だけで勉強できないと、その先大変なことになってしまいますから、自宅での勉強をしっかりと考えてください。そういう時間が、夏休みの中にまったくないというのは考え物です。

(平成14年5月25日)

第14回  早生まれ  

■早生まれの子は受験に不利でしょうか?とよく質問されました。面接で、成績が悪かったりすると「やはり、早生まれだからでしょうか?」とも聞かれたものです。同学年で4月生まれの子と3月生まれの子には約1年の差があります。したがって、確かに差があることは間違いありません。ただ、早生まれの子はすべて、不利なのかというと、もちろんこれも違います。早生まれの子も、たくさん合格しています。

■子どもは成長に、個人差があります。4月生まれの子でも成長が遅い場合もあり、3月生まれの子でも、成長のスピードが速い子もいます。ですから、早生まれの子が一概に受験に不利だとは言えません。むしろ個人の成長のスピードが問題なのです。
■中学受験の場合、小学校6年生の2月が入試ですから、それまでにどのくらい成長したかが問題になります。幼い子は、なかなか本気にならず、受験はまだ早いかなと思うことも少なくありません。だからといってあまり無理をして、本来、子どもが持っている成長のスピードを変えてしまうと、ストレスを与えてしまい、子どもの成長を阻害するケースもありますから、やはり子ども一人一人の様子を見ながら、ペースを作っていくことが大事で、早生まれの子どもでも、これは同じです。
■ただ最大、1年の差はありますから、早生まれの子どもの場合は、少し、早めに準備を始めておくと良いと思います。たとえば中学受験は4年生の後半から準備が始まりますが、3年生くらいから準備を始めるのです。その代わり、子どものできる範囲を十分見定めて、無理なく進めてください。
■そうすれば、早くから刺激が与えられますから、早生まれの子どもであっても、その刺激を受けて、勉強する能力がだんだん備わってきますし、考える力も活性化してきます。活性化すれば、子どもが本来持っている「大きくなりたい」という欲求が出てきて、1年くらいの差はすぐ埋まってしまいます。大事なことは、子どもひとりひとりのペースが違うことを、親や指導する側がしっかりと認識して、ストレスを与えない程度に準備をすすめるということです。やりすぎてしまうと、逆効果になりますから、注意が必要です。「早生まれだから」ということはあまり「気にしない」というのが一番大切でしょう。

(平成14年5月18日)

第13回  競争率 

 

■中学受験レポートを書いていて、ずいぶん実質倍率が下がったなと驚きました。やはり少子化は進んでいます。今から10年前では御三家の平均競争率は3倍前後でした。しかし、今年は桜蔭が1.9倍になりましたし、麻布、武蔵とも2.2倍。やはり3割くらいはやさしくなったと考えた方が良いのでしょう。

■今年4月に中学に進んだ学年は平成元年生まれの子どもたちで、大喪の礼で結婚式が自粛された年代ですから、全体で124万人と、その前の学年の130万人より下がっています。ところが、そのあと、回復しないのです。この次の学年は121万人で今の3年生で120万人を切ります。
■一方、受験率は右肩上がりで増えています。130万人のうち、私立中学に通うのは7万人。5%強になりますが、首都圏では今年13.5%になりました。首都圏に私立中学が集中しているため、高くなるのは当然ですが、1999年から4年続けて上昇しているのは、やはり指導要領の改定、完全5日制に対する不安からでしょうか。
■来年は、人口減少が少なく、受験率が14%に達すると競争率は多少あがってくるでしょう。しかし、この数字や合格偏差値にあまり左右されてはいけません。やはりいきたい学校を狙うというのがまず肝要であって、こちらの方が倍率が低いからと直前で学校を変えたりしてはいけないのです。
■行きたい学校を決めるのに、文化祭を見たり、入試説明会を聞いたり、これから情報を集めていく時期になりました。ただし、子どもに合う学校を選ぶということに目的があり、倍率や偏差値ばかりに目が行って相性を考えないと、入学後にいろいろな問題がおこりますから、気をつけてください。

(平成14年5月12日)