学校別対策の要諦」カテゴリーアーカイブ

学校別対策の根幹

学校別対策の授業というのは夏休み以降、いろいろな塾で行われます。

ただ、基本的には問題演習が多い。つまり、過去に出題された問題の類題を解く。過去問の練習をさせる塾もありますが、過去問であればわざわざ塾に行かなくても家でできるではないか、という批判があるので、やはりオリジナルの類題を用意することが多い。

そうなると、やはり、過去問というのは自宅学習の根幹になるわけです。で、この過去問の練習がやはり学校別対策で最も重要だといえます。これがまだ十分でないのに、他の問題をやる意味はあまりない。

実際に塾の類題も。「ああ、この問題を前提にしているな」とわかれば、それなりにがんばることもできるが、いったいなぜ、こんな問題をやらされるのかわからなければ、なかなかやる気がわかないでしょう。

せっかくカリキュラムが前倒しされて、一応すべてのテーマの学習が終わっているのだったら、基本的に過去問をさっさと始めるのが正しい。最近、塾で復習回と称して過去のテーマをもう一度勉強する回期がありますが、これは私はあまり意味がないと思います。もちろん、ずいぶん前に勉強していることだから、思い出すことも大事なのだが、そんなのは過去問をやりながら思い出せばいい。ああ、こういうこと勉強したな、と思っても過去問でできなければ、それだけ復習すればいいわけです。

本人ができる問題をわざわざ時間をかけて勉強させる意味はあまりない。実はこれは、なるべく全体を同じカリキュラムで動かしたい塾の思惑の現れです。それならば、もう少しゆっくりカリキュラムを進めた方が良いのです。そうではなくて、早く進めるならば、とっとと過去問の練習に入った方が良いでしょう。

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社会の出題形式

最近の社会の入試問題はだいぶ長くなりました。地図や写真、あるいは昔の資料などから出題するので、いきおい読む文章は長くなりました。しかし、問題をよく見てみるとやはり大きく分けて3つに分類することができるでしょう。

(1) 知識単答型
(2) 資料読解型
(3) (1)と(2)の融合型

(1)はずばり、知識を問う。問題の形式がどうであれ、最後に知っているか、知っていないかで勝負が決まる問題です。地理にしても歴史にしても、知っているか、知らないかで問題の答えが出る学校。やはりこの類型が一番多いとは思います。

(2)は知識も必要なのだが、しかしそれだけでは解けない。考える必要がある、あるいは資料から読み解く必要がある問題を出題する学校。

(3)は(1)と(2)の両方を出す学校。しかし、この類型はやはり知識の比重が大きいと言えるだろうと思います。

男子受験校では(2)が比較的多くみられるが、しかし、形式に惑わされてはいけません。良く問題を見てみると、「なんだ、これは知らないとできないじゃないか」という問題が案外多いものなのです。大学受験をさせる学校では、比較的細かな知識を問う場合が多い。「日本地理は、中学受験のころの知識で大学を受けた」という強者もいるくらいですから、ある程度細かいことを出す学校もあります。

だから、いったいどのレベルまでの知識が必要になるかを考えないといけないわけですが、これは学校の入試問題を見てみればわかります。多くの学校の場合は塾が用意する暗記テキストで充分なはずです。それ以上に細かいことは、中学校の歴史の教科書を読んだり、あるいは問題を通して覚えていくしかないわけです。しかし、基礎が充分でないのに、そちらに手を出しても意味がない。まずは基礎力をしっかり養うことでしょう。
ただ(2)の対策はなかなか難しい。やはり過去問から学ぶしかありません。

したがって、早い段階で基礎的な勉強を終えて、あとは演習しながら、考え方を学ぶ必要があります。

過去問もあまり古い問題をやるよりは、他の学校の似たような問題を探してやるようにしていけばいいのです。

社会の場合、どうしても基礎の知識を覚えるのに時間がかかりますから、この練習が始まるのは早くて2学期からでしょう。

でもそれで充分です。その代わり、それまでに基礎の力をしっかり蓄えてください。ただし、早めに自分の受験する学校がどういう出題傾向なのかは、しっかりとらえて、年間の学習戦略を考えていきましょう。

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理科の出題形式

 理科の出題に関しては、生物、地学、化学、物理という分類があるわけですが、知識か計算か、で分類をすると次のような形に分けることができます。

【知識分野】
生物、人体、地学、天体の一部

【計算分野】
水溶液、力、電気、天体の一部

つまり、覚えればある程度、得点できる分野と、算数のように練習を積み重ねる分野があるわけです。

で、出題傾向を分けるときに、この知識分野がどのくらいあるか、ということがひとつの分かれ目になります。

一般的に言えば、知識の問題が7割程度という学校が多く、残りの3割が計算問題だったり、記述、実験関連だったりするのです。こういう出題傾向の学校ではまず知識を優先していく必要があります。ただ、何もかも全部覚えるわけにはいかない。ので、覚える内容は良く出題される内容に絞る必要があるわけですが、その選別をしてくれているのが塾の暗記用テキストです。

私はよく全出題範囲の3割が出題の7割を占める、というお話をします。つまり3割覚えれば7割は得点できる、ということなので、優先順位としてこの3割を覚えれば良い。この3割は各塾が研究して、この暗記用テキストに絞ってくれているので、他のことは考えず、しっかりこれを覚えることです。それである程度この形の入試問題には対応できるようになります。

ところがこの知識分野が5割を切る学校があります。あるいは0という場合もある。例えば資料を提示して、そこから作業をさせて、結論を読み取らせる。
あるいは実験結果を見せて、そこから推論させる。

この場合、解答を記述で書く、あるいはレポートのような形式にする、など各校独自
の解答形式があります。これは入試問題を過去にさかのぼってみれば、良くわかるで
しょう。

こういう問題を出題する学校を第一志望とする場合は、知識を覚えたからといって得点できるわけではないので、やはり入試問題を中心に対策を考える必要があります。
塾もそういう学校の対策のプリントを用意したり、特別な授業をしたりしているので、それを利用するのも良い方法だと思います。

まずは志望校の問題をよく見て、研究することが大事です。

知識について言えば、分野が集中することはあまりなく、いろいろなテーマに分散しているので、やはり暗記テキストを集中して覚えて、その後過去問の練習をすると良いでしょう。

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