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5年の秋から受験を始める

ここのところ、続いて5年の秋から中学受験を始めたいという保護者の方と面談をしました。

4年生からはじめている子どもたちが多い中で5年のこの時期から始めるのにはハンデがあるでしょう。実際に地理はもう終わってしまっていますし、歴史も結構進んできています。割合、比、速さ算数の頻出範囲もすでに勉強しています。

しかし学校ではまだ当然やっていません。したがってこれをどうフォローするかということになるわけですが、今のところ進んでいるカリキュラムとはある程度距離を置いてやらないと効率が悪いので(わかるところから始めないと、本人に自信もつかないでしょうから)、一人ひとりのカリキュラムを作っていくことになります。

最近感じるのですが、意外にこれはいいのではないかと思うのです。

今の5年生はカリキュラムが多い、なかなかこなしきれない。だからその嵐からは距離を置いて、できることをこつこつと積み重ねていく。最初から遅れていることはわかっていますから、あわてても仕方がないと思えます。最後に間に合えばいいのだから。でも間に合わせなければならないので、本当に効率を考えた勉強法をしてもらうことが必要です。でもその方法は実際にあるのです。

今日も5年生の女の子を見ていたのですが、1時間半の間にずいぶんいろいろなことができるようになりました。もちろんその子の能力はなかなかのものですが、このペースで行けば比較的早い段階で追いつくことになるでしょう。

本人がやはり受験を始めたいと思ったのですから、努力もするし、がんばりもしてくれます。待つことも教育では大事なことなのです。

まずは基礎学力を

4年生や5年生で1週間の内容をこなしきれないという話を良く聞きます。
実際に理科や社会の勉強まで含めると結構こなさなければいけない量は多いでしょう。

しかし例えば社会について言えば、5年の1学期に地理をやってその後、歴史、公民と進む間に地理の知識はあやふやになり、結局6年生の夏休み以降もう一度覚えなおすという作業が必要になります。

もちろん5年のときに覚える努力をすることで6年生の手間を省くことはできますが、しかしやはり忘れていることは多いので、最初から覚えなおすようなものなのです。

と考えてみると、ではこの時期に授業をしっかり聞くことはもちろん大事だが、細かいことを覚えるのにあまり時間をかけすぎてもいけない、むしろ「読む、書く、ていねいに考える」といった基本的な学習能力と姿勢を身に着けることが大事なのではないでしょうか。

最近、中学受験の裾野が広がってきて、受験生は増加しています。しかし実際に塾でお預かりするときの子どもたちの基礎学力は大きく差が開いています。計算にしても漢字にしても、「読む、書く、ていねいに考える」という作業に必要な基礎学力がまだ十分ついていない子どもたちは増えているのです。

ですからあわてて受験のためのテクニックをマスターさせるよりは、5年生まではこれらの基礎学力をしっかり身に着けることに時間を割いた方が良いでしょう。

塾に行くとクラス分けテストがあり、良いクラスに入るためには点数をとらなければならず、細かい知識に時間をかけがちですが、目先の点数にあまりこだわらないでしっかりとした力を培っていくと良いと思います。

ラスト3ヶ月で親が心がけること

埼玉や千葉の入試は冬期講習があけるとすぐに始まります。
その意味では残り3ヶ月ぐらいになってきたわけですが、この時期の学習ではいくつか気をつけるポイントがあります。

(1)やるべき内容を絞り込むこと
あれもやっていない、これもできていない、子どもの成績表を見るたびにいろいろな思いがあると思いますが、残り3ヶ月だからといって時間の流れが変わるわけではありません。したがってこの3ヶ月間で何を仕上げるのか、具体的な勉強内容を絞り込む必要があります。私はこの時期はまず知識。良く出る内容をしっかり覚えること。次にはていねいさ、確実に問題を解きあげることに注力します。もはやあまり難しい問題に時間を割くよりは、どの問題ができるか見極められる必要があるでしょう。自分ができそうな問題から確実に得点するという練習を過去問などを通じてやっていくべきです。

(2)プラスイメージをもつこと
落ちることは考えてはいけません。第一志望に入ったらどんなクラブに入るかなど、プラスイメージをしっかり持たせるようにします。また成績が下がっても、あまり心配せずやるべきことを確実にやればいいと腹をくくってください。この時期家庭教師や個別指導を頼まれる方も少なくないと思いますが、具体的に何をするのか絞り込んでいなければ時間の無駄です。親の不安を取り除くためにやったところでプラスは少ない。電気のところをもう一度復習する、過去問でわからないところを教えてもらう、そのような目的がはっきしているやり方を考えてください。

(3)少し子どもから距離を置く
最終的に入試会場に入っていくのは子どもだけです。子どもが自分の力で何とかこの試験を乗り切っていかなければなりません。何でもかんでも手を出していたら、子どもが自分でいろいろな問題を解決することができなくなります。お母さんは試験会場に入っていけないのだから、子どもが自分で問題を解決できるように少し距離を置いて見てあげるとよいでしょう。