中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

進学塾の選び方(2)

まずは公開テストを受けてみることをお勧めします。

最近はいろいろな塾が公開テストをやっていますから、その中から選んで受験してみるとよいでしょう。組分けテストにはいろいろデメリットもありますが、公開テストはそのときのこどもの力を測る上で非常に役立ちます。

で、その結果として、偏差値60以上をとれるのであれば、これはどこの塾にいっても間違いない、なかなか力のあるお子さんですから、大手であろうと近くの中小塾であろうと大丈夫です。それより以下の場合、子どもが人と競うことが好きであれば、大手にいってみると良いでしょう。刺激を受けて自分がひとつでも上のクラスに行ってやろうと思う気持ちを持つ子であれば、そういう環境がプラスになります。

しかし、あまりそういうことに関心がなかったり、やる気が表に出てこない子どもたちはむしろ少人数でていねいにみてもらうところが良いでしょう。また成績がまだ十分でない子どもたちも、そちらの塾へいった方が良いだろうと思います。むしろじっくり力をつけて、6年生の最後に抜きん出てくれればそれが一番効率の良い受験だといえるのです。

受験をスタートさせるのは3年生、4年生いろいろ議論がありますが、私は4年生で2教化スタートで十分と思います。

4年生はどの塾でも本格的な受験勉強にはいる学年でしょう。しかし内容を見てみるとこの学年で履修する範囲は直接入試に出るものは少なく、やはり5・6年生の基礎を作る内容ということができるでしょう。したがってテスト向けに細かい知識を覚えることよりは、むしろじっくり考えたり、ていねいに読んだりする力を鍛錬することが重要なのです。

例えば国語に関して言えば、細かい漢字や文法を覚えるよりはなるべく長文をじっくり読むようにしたいし、算数は分数や小数の計算をしっかり鍛錬することの方が重要だと思うのです。単にカリキュラムにしたがってその内容ができるようになるというよりも、もっと学習の礎になるような力をマスターすることが望ましいのです。

4年生で週2回ぐらい、5年生から週3回くらいと塾へ通う回数を少しずつ増やしながら、自分で勉強するペースもしっかり作っていくことが大事です。

逆に低学年のうちはしっかり基礎学力をつけていきましょう。特に大事なのは計算力。これは早め早めに勉強していって、4年生ぐらいになったら分数や小数の計算も楽にできるようにしておきたいと思います。

この基礎学力がしっかりしていないと点数が取れないので、クラス分けのあるところでの勉強は苦痛になります。「まだ早い」とは考えず、少しずつ準備を進めていくのが良いのではないでしょうか。

進学塾の選び方(1)

先日ある月刊誌の取材があって、塾の選び方についてのお話をしました。

まあ、普通は大手の塾を選ぶのが一般的であるわけですが、人数が多い塾は(1クラスという意味ではありません。最近の塾はだいたい多いところで25名前後、大きい塾でも15名でクラスを編成するところが多くなっています。)やはり毎月クラス分けテストをしていきます。このクラス分けテストは、毎月の履修状況を把握した上で必要なレベルの授業をするために行われるのですが、またできる子どもたちを選抜していく仕組みでもあります。したがって上位に残れれば難関校への合格が可能になりますから、多くのご家庭がこの上位クラスをめざして毎月がんばることになります。

ただこれは当然学校を絞り込んでいるわけではないので「どこでも対応できるようにする」というカリキュラムになります。当然4年生、5年生では入試に必要な基礎力を学ぶことになるでしょうが、次第に応用、発展のレベルに入っていくと、受ける学校によっては「あまり必要ない」範囲の勉強まですることになります。そしてここが大事な点ですが、あまりに分量の多い勉強をさせられて、試験で良い成績をとれず自信をなくしてしまう子どもたちを大量に送り出す仕組みでもあるのです。

毎月のテストの中で、クラスが分けられたり、席が決まったりということになると子どもたちの世界の中でもある序列が生まれていきます。偏差値もそうですが、ひとつの序列に過ぎないものが、まだ幼い子どもたちの中では「絶対的な価値」に見えてしまうことになる可能性があるのです。(保護者の方でもそう思っておられる方が少なくないようにも思えますが。)

試験の結果ですから、毎月変わる可能性があり(だから担任がしっかり決まらないというデメリットもここではあるのですが)そんな序列はたいした問題ではないと思えればまだ救いがありますが、やはり上位にいてほしいと思うのが親心ですからそれなりに親子でがんばってしまう、そしてずいぶんがんばったけど、もう疲れてしまったということになる可能性があるのです。

一方小さい地元の塾は、先生がていねいに子どもたちの面倒を見てくれるでしょうが、まず刺激が少ない。その塾で一番になったところでまだまだ上はいるわけですが、安心してしまうことがあるわけです。学校情報などはだいぶネットワークでとれるようになってきましたが、やはり出てくる資料集などは大手と比べればまだまだというものが多いでしょう。

6年生になるとダブルスクールという生徒もいます。大手の塾に通いつつ、地元の塾にも来て両方のメリットを受け、両方のデメリットと消すというやり方ですね。これは確かに良い方法ではありますが、経済的であるとはいえないでしょう。

では、どういう子がどういう塾に合うのだろうか、ということを親が考えていかなければいけません。特に今は塾を選ばれている方が多いと思うので(だから取材がきたのでしょうが)次回はこのお話をしたいと思います。

来週から中学入試説明会です。こんなお話をするつもりでいますので、ぜひお越しください。

お申し込みページはこちらから

1 中学受験率の上昇
(1) 首都圏中学受験率は16%に到達
(2) 東京区部では30%超の地域も。
(3) 原因はゆとり教育、少子化も一因

2 中学受験のメリット
(1) テストのみでの合否判定
(2) 受験のデメリットを保護者がカバーできる。
(3) 6年間の中高一貫教育のメリット
(4) 大学受験合格者の実態

3 いつから準備を始めるか
(1) 意外に差がつき始めた基礎学力
(2) 大丈夫と思っていても・・・
(3) 3年生からは少なくとも中学受験を意識する
(4) 5・6年が受験準備期間

4 塾の選び方
(1) 大手塾の良い面、悪い面
(2) 中小塾の良い面、悪い面
(3) 個別指導だけで中学受験はできるか
(4) 親はどこまでかかわれるのか

5 保護者が持つべき中学受験に対する考え方
(1) 第一志望校の考え方
(2) 自ら学習できる姿勢を身につけることがもっとも大事
(3) 幼さとの戦い
(4) 意欲、積極性を育てる
(5) 中学受験で子どもの人生は決まらない

6 合格するポイント
(1) じっくり考える力の養い方―パターンを覚える必要はない
(2) 読む、書くが基本
(3) ていねいさ 合否はミスの発生率で決まる
(4) 「この問題はおもしろいんだよ」
(5) プレッシャーと戦う

7 学校選びのコツ
(1) 偏差値表にまどわされない
(2) スクールカラーは全然違う
(3) 放任型と管理型
(4) 大学受験校か、付属校か
(5) 子どもに合う学校とは

写真

そろそろ出願が近づいてきました。
写真の準備をしなければなりませんね。

白黒か、カラーかは迷うことではありますが、最近はカラーの方が増えてきたように思います。学校の指定を確認してください。

写真はやはり写真館でとってもらってください。学校によって枚数もサイズも異なりますし、また入学手続きの際にも写真は必要です。その度に撮りに行くのはもちろん不経済なので、写真館で撮ってもらってあとは増刷してもらうと良いでしょう。

実際に入学試験では本人確認のために、写真を使います。まあ、身代わり受験をする人はほとんどいないでしょうが、試験でめがねをかけているのであれば、めがねをかけたまま写真を撮るのがよいでしょう。