中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

長文を読む力

テストを受けてみると、国語の文章を読むのが間に合わないという子がいるでしょう。実際に模擬試験は、差をつけるためのテストですから、「あんなに忙しい入試はない」と思うくらい分量があります。しかも1つの問題が5点ぐらいありますから、1問間違えるだけでかなり差がついてくる、したがって文章を読むのが間に合わないということになると、実際に持っている力以下に判定が出てくるでしょう。ある試験では国語の偏差値が60近くあったのが、突然45になったりすることもあるのです。

で、こういうときに「早く読まなきゃ」と子供が思うと、もっと状況は悪くなります。なぜか?あわてて読むということは良く読まないということになるので、もっと間違えやすくなるのです。実際に普段の授業や過去問をやらせていて、文章を読むのが遅いなと思う子は、「あわてさせてはいけない」のです。

ゆっくり読む子はそれがその子のペースであって、そこから理解が生まれます。そのペースが狂えば、理解が進まないから、もっと点数が悪くなって、さらに自信がなくなります。それが「読むのが遅い」からだと思われて、またあわててやる、したがってマイナスのスパイラルにはまってしまいます。

模擬試験で間に合わなくてもあわてない、過去問が間に合えばよいのです。過去問でもすべて間に合わなくても、ある程度できれば合格点には届きます。何が得手なのか、何が素の力なのか、良く見極めてあげてください。勝負は自分の強いところで勝負をさせないと、なかなか勝ち目がありません。弱いところはある程度、弱いと考えて戦略を立てないといけないのです。つまりは「とれるところは確実にとる」ということです。

その子の持っているところをしっかりと見極めて、その上で今後の勉強法を考えてください。いずれにしてもそんなに時間があるわけではありませんから、優先順位をしっかり決めていくことが大事です。

相談メール

残り2ヶ月余りとなりましたが、最近6年生の保護者のみなさんからよくメールをいただくようになりました。

早めにご返信していますが、先日ある保護者の方とその後お目にかかって詳しくお話をする機会を持ちました。要は、塾では本人の志望校は無理だから下げた方が良いという指導をされているが、本人はどうしてもその志望校を受験したいということなのです。

成績から見ると確かに微妙なところではありますが、全く無理という範囲ではなさそうです。一方、来春5万人を越える受験ということになれば、ある程度しっかりとした学校別対策をしないと大変そうです。しかし塾では他のいろいろな問題を解くことばかりに時間がかかって、本人の受けたい志望校の勉強まで手が回らないのだそうです。

勉強の仕方を詳しくお話して、その後塾の先生にも面談してもらい、第二志望を下げることで第一志望受験のお墨付き(?)ももらって、塾のカリキュラムから少し離れて過去問の対策もできるようになりました。

残りの時間は少なくなっていますので、何か気になることがありましたら、遠慮なくメールでお問い合わせください。今のうちに手が打てればまだ良いかと思います。

私もなるべくお返事を急いでしていますので、どうぞお気軽にご相談ください。

直前の学習法(1)

残りあと2ヶ月あまりとなりました。

次回の母親講座のテーマが「直前の学習法」ですので、少し先取りしてお話しましょう。最近6年生の保護者の方からの相談で多いのが

(1)ミスを減らすにはどうすればいいか
(2)知識が覚えられないのだが、何か良い方法はないか
(3)過去問の学習の時間がとれないが、何か効率の良い勉強法はないか

の3つです。それぞれお話していきましょう。

(1)は頭の痛い問題ですね。模擬試験の結果を見直してみると、これもできた、あれもできた、ではないでしょうか?実際に成績の良い子もミスはするのです。ただ途中で自分で発見できて、かつ修正できる。だから成績が良いわけです。したがって重要なのはミスをしないことではなく、ミスを発見する術を知るということになります。

①字をていねいに書く (0と6などを間違えない。)
②使っている条件を数える (使っていない条件がないか調べる)
③答えが出たと思ったところでもう一度問題を見直す
④答えをもう一度問題にあてはめてみる。

特に④はセンスの問題がありますが、そんなばかな数字はないなと思うことで
もう一度見直してミスを発見することができるでしょう。どうしてこんな間違いをするのと叱ってもなかなか直りません。ミスは起こすもの。ですから、それを修正する技術を身につけることなのです。

このためにはやはり問題を解くことが必要で、過去問を利用すると良いでしょう。そしてミスの原因は何かを考え、それに対する対策を講じるのです。問題を見直すという1作業をいれるだけで、かなりミスは減ります。検算をその場でするという作業を入れると計算ミスはかなり減少します。たての計算を書いて、その場で見直すというだけのことです。でもそれをやっていない子どもたちはたくさんいるでしょう。

当たり前のことを実行できるかどうかがすべてで、幼い子ほど頭でわかっていることが実行できないという部分はあるでしょう。だからといって口うるさくいっても直りません。その場で検算、その場でチェック、なぜするのかを根気良く教えていきましょう。子どもだってミスはしたくないのですから、その部分に訴えていくことが大事です。「ナニヤッテンノ」と怒っても問題は解決しませんから、ぜひ具体的に直すことを心がけてください。