中学受験で子どもと普通に幸せになる方法」カテゴリーアーカイブ

偏差値30のからくり

偏差値というのは平均からの乖離を表します。偏差値60は平均から標準偏差1つ分上に離れた位置ということです。平均から標準偏差1つ分のプラスマイナス(すなわち偏差40から60)の間に全体の68%がいるということをあらわします。だから偏差値というのは集団の平均点によってずいぶん変わってくるのです。

集団の平均が高ければ、30の持つ意味は変わるのです。

高校受験はほぼ99%の受験率ですが、中学受験は約20%。この集団は高校受験の集団の上位に位置します。したがって中学受験の平均は高校受験の平均からほぼ標準偏差1つ分はちがってくる感覚を持ってください。

すなわち中学受験の偏差値50は高校受験でいえば60~65になる。だから中学受験偏差値30は高校受験で言えば45~50前後になるだけなのです。

数字に惑わされてはいけないというのはそういう意味です。

偏差値30からの中学受験

中学受験を始めようと思って、まず学力テストを受けさせてみたところ偏差値30だったとします。親はこれをどう考えればよいでしょうか。

中学受験なんかとても無理だと考えがちかもしれません。ただ、テストの内容を見てみると、その状況はだいぶ違ってきます。

例えば未習部分が多くてできなければ、それはそれで追いつくしかないわけですが、可能性がないのかといえばそうではないでしょう。そして事実、多くの場合はこれにあてはまる子が多いのです。

習っていないところが出たテストで、できなかったらそれは仕方がない話です。しかし偏差値30という数字の方がショックでしょう。ただ一般的に言えば、中学受験率が20%とすれば平均点はこの集団の平均でしかない、全体の平均よりはかなり上のところにあるわけですから、偏差値にあまりショックを受ける必要もないのです。

そして実際に受験勉強を始めてみて、未修部分が理解できてくれば、必然偏差値は上がってくるでしょう。

問題は実際に何がわかっていて、何がわかっていないかをしっかり判別して、学習を進めていくこと。ところがある一定のカリキュラムが進行している塾では、これまで学習していることが前提になるので、たとえ入塾できたとしてもなかなか未習部分を解決できないかもしれません。その分いくらやってもなかなかできるようにならないと思われるかもしれませんが、実は未習部分が響いている場合が少なくないのです。

この場合どうやって解決すればいいでしょうか?

やり方は2つ。ひとつは、現状の成績をあまり気にせず、カリキュラムの最後までいったん走りきってしまうこと。だいたいどの塾でも6年生の夏休み前に、カリキュラムが終了します。そこから復習。ここから成績を上げればいいと割り切ってしまうことです。ただ、全体の分量が増えていて、なかなか間に合わない状況になってきました。

そこでもうひとつはいったんカリキュラムを逸脱してしまうこと。できることを積み重ねるという意味ではこちらの方がやりやすくはなります。ただ、計画をきちんと立てて進めていかないと、最後まで終わりきらないということになるでしょう。その意味でカリキュラムが明確になっているテキストを使うと目安がたちやすいかもしれません。塾や個別指導の先生と相談して、まずは追いつくために重点的に必要な学習をピックアップして、それを集中して学習します。カリキュラムにいつおいつくのが目標なのかも決めていきましょう。できれば6年の春休みまでにはおいついておきたいですね。そうすれば、復習が大変になることもないでしょう。

偏差値30からの中学受験というのは、当然可能なことなのです。実際にここから50、60の学校に合格していった子どもたちは私どもにもたくさんいます。だから、最初の偏差値にびっくりすることなく、また目標を下げることなく、しっかりと狙うべき学校を狙ってください。

家で勉強させられないとき

最近、懇親会を含めてお母さんのお話をいろいろ伺ってきました。その中で、「なるほどなあ」と思うことがいくつかありました。

そのひとつが「なるべく塾で勉強はすませてきてほしい」というニーズです。これは子どもの数が少なくなって、一人っ子が増え、どうしても家でお母さんと子どもの1対1の関係が強くなって出てきた話だと思うのです。
「勉強しなさい」というお母さんのことばに対して、素直に聞かない子どもたち。これが他に兄弟がいたり、お父さんがいたりすれば、いろいろ紛れるのでしょうが親子で1対1になってしまうと、なんとも気まずく、塾で何とかしてもらえないかという切実さがあるように思うのです。

その結果として、子どもたちが勉強の意欲を失ったり、あるいは親子関係がうまくいかなかったりというのはあまり良いことではありません。

実はそういうお話は前にもいただいたので、キッズを始めてからは、塾とキッズを併用しています。【エルフィーキッズ】はなにも小さい子どもたちだけのシステムではありません。6年生でも参加できるのです。学校から帰ってきたらまっすぐ、塾に来て、勉強する。だいたいこの時間はあまりうまく使われていないことが多く、テレビを見たり、だらだらしていることが多いもの。だったらまっすぐキッズに来て、勉強する。まわりで勉強している子がいるので、結構ペースは取れます。
何をやるかはデイリープランを指導員と相談して、実行する。わからなかったら、質問するなど、確実に勉強が進みます。そして授業がない日は7時で帰る。家で夕食をとって、あとの勉強はすでにその日の予定が半分は終わっているので、そのまま進みやすかったようです。

もし、今そういうことでお困りであるならば、ぜひご相談ください。このニーズは今の時代は「お母さんのわがまま」ではなく、解決していかなければいけない重要なテーマだと思います。