それでも母親講座」カテゴリーアーカイブ

第4回 「テストの復習」 

新学期になって週例テストや月例テストを受験している子どもたちが多いと思います。この復習はぜひやってください。テストは子どもたちがそれぞれ、真剣に解いていますのでその分復習をすると、理解がより進みます。実際にわからない問題だったとしても、それを考えていますので、解説の少しのヒントでまた自分で解ける可能性があるでしょう。実際に「あ、そうか」といって最後まで解き上げられれば、テストの時間に使ったエネルギーが、しっかり生きてきます。

 といってもすべての問題を復習するのは大変ですから、できなかった問題だけにしぼって復習してください。

 特に大事なのはミスの原因をしっかり理解することです。問題の読み違い、計算ミス、自分の字の読み違いなどミスの原因はいくつかあります。それを防ぐ手立てを考えないと、いつまでたってもミスは減りません。

 実際に成績の良い子どもたちもミスはしているのです。ただ、途中で気がついて訂正できるからテストの成績がよいのです。逆に成績の悪い子はミスを見つけられないので、点数が悪い、つまりミスを発見する手立てを知らないだけなのです。

 ミスを発見するためには自分のミスが何によるものか、しっかり調べておく必要があります。だからテストの復習が必要なのです。計算間違いをするようであれば、きちんと計算を書くスペースを考えて、そこに計算をするようにすればいいし、問題を読み違える場合は、条件に下線を引いて何回か確認するくせをつければいいのです。そうやっていくうちに、ミスを見つけることができるようになります。

 ちなみに忘れ物の多い子は、ミスも多いものです。まずは朝、自分の持ち物チェックから始めるのも大事なことではないでしょうか。

第3回 「学力低下」 

 昨年来、いくつかの学校の入試担当の先生とお話をしていると,必ず出る話がありました。「先生、ここのところ、合格点が下がっているんですよ。変ですよねえ。」この疑問、私も最初は変だなあと思っていたのです。 最近は中学受験ブームです。非常に多くの子どもたちが中学受験をしていて、昔に比べれば大変な努力をしています。私も中学受験をした口ですが、今の子ほど勉強をさせられた覚えはまったくありません。ところが今の子どもたちは、週4日、5日の通塾。夜は11時、12時まで勉強しないと課題や宿題が終わらないという生活を送っているのです。なのに、なぜ合格点が下がるのか。
 ところが今年、突然合格点が上がった学校が増えたのです。そこで、早速問題を見せてもらいました。そしてこの問題の原因がわかったように思ったのです。

 今年、合格点が上がった学校の出題は「パターン問題」が多かったのです。いわゆる標準的な問題といえるかもしれませんが、よく塾のテキストや問題集に例題として出てくる問題です。つまり、こういう問題なら今の受験生はできるのです。しかし、もう少しひねると途端にできなくなるというのがどうも現状のようです。

 これは受験カリキュラムや問題を作るほうにも原因があって、なるべく子どもたちにわかりやすくするために、これらの標準問題をまずやらせます。ただ、やらせるときに練習量を多くするあまり、あまり考えずに解法を記憶して解くくせがつくのです。結果として、ちょっとひねられると、途端に間違えるというケースがでてくるのですね。

 特に算数は、自分でじっくりと解き方を考えないとできるようにはなりません。私の授業はよくホワイトボードに問題を書いて解かせますが、その場、その場で真剣に解くということが大事なのです。似たような問題を たくさん解かせたところで、解く力はなかなかつきません。

 こんなに塾に行っているのに、標準的な問題しか解けないということになると、やはり問題処理能力が劣ってきているのではないでしょうか。小学生は体力に限界があるのですから、与える問題の量には十分気をつけてあげてください。

第2回 「幼さをどう克服するのか」  

最近は小学生にしても中学生にしても以前に比べて精神的に幼くなっています。これはやはり兄弟姉妹が少なくなり、親の目が行き届いてきたために、自分でいろいろなことをする機会が少なくなっているからです。 
 例えば小学生は自分の部屋の掃除をしないだろうし、洗濯物ものもたたまないでしょう。何でもお母さんにやってもらうということでは、自分で苦労することが少ない分、なかなか精神的な成長が期待できません。一方で、そういう環境の中で反抗期だけは従来通り出てきますから、「口ばっかりで行動がともなわない」子どもたちがたくさん出てきていることになります。
 その意味では、やはり早くからいろいろなことを子どもたちにさせる必要があります。それと同時に、家族としてみんなのためにする仕事も持たせていくことが大事です。

 我が家の話で言うと、息子の「風呂番」と娘の「夕飯の後片付け」はすでに8年近く続いています。息子は大学生になって、さすがに毎日というわけにはいかなくなりましたが、それでも家にいるときは家族のためにお風呂を用意するという仕事を受け持っています。これは中学生のときも、高校生のときもずーっと続けてきてくれています。ただ、私はやらせたことはありません。忘れているときは、「お風呂、頼むよ」と言っていました。反抗期のときは「自分で入りたければやればいいのに」と言っていましたが、それでも頼むと「しょうがないなあ」といいながら、やってくれました。そしてやってくれたら「ありがとう」を必ず家族みんなでいうことにしていたのです。

 人のために何かをするということは、小さいときから練習させておく必要があります。そしてやってもらったら必ず「ありがとう」という言葉をいうこともきちんと教えておきましょう。自分がする立場になるときも、してもらう立場になるときも相手の気持ちがわかるようになれば、それもまた幼さを克服する大事なステップになると思います。