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第7回 「早寝、早起き、朝ごはん」

 最近の子どもたちはテレビやゲーム、インターネットなどで非常に多くの刺激を与えられています。しかも塾や塾の宿題で夜遅くまで起きている子どもも多く、夜型の生活習慣になっているようです。

 しかし一方で成長期の子どもたちには十分な睡眠が必要です。したがって朝ぎりぎりまで寝ていて、朝食を食べずにそのまま学校に飛び出していく。結果として午前中はぼーとしてしまうことになるのです。

 中学受験でもここ近年学力低下が見られました。合格点が下がっていたのです。あれだけたくさんの時間をかけて塾に通い、勉強してきた子どもたちの学力がなぜ下がるのか、私自身も不思議でしたが、この原因を聞かされて「なるほど」と思いました。

 「早寝、早起き、朝ごはん」は「百ます計算」で有名になった陰山先生が提唱者です。先生は、子どもたちの夜型生活が学力低下の原因だと分析した上で、広島県尾道市の土堂小学校で「早寝、早起き、朝ごはん」を子どもたちに実践してきました。その結果早くも3ヶ月で子どもたちの学力が向上したのです。

 私は学力とは「学びたい欲望」が強ければ強いほどついてくるものだと思っています。その欲望はやはり元気な子どもたちが持つものです。だからまず子どもたちを元気にすること、しっかり寝て、ちゃんと朝ごはんを食べて、そして勉強すればそれほど長い時間をかけなくても十分に結果がでてくると思います。

 この夏、テレビのスイッチを切って、子どもたちを早く寝かせてください。そして朝早く起きて、しっかり朝ごはんを食べる習慣を身につけてください。その上で、効率よく勉強できれば、それなりにきちんと学力は伸びていくはずです。

第6回 「子どもの可能性を受け入れて」 

小さい子どもたちを見ていると、「大きくなりたいんだなあ」というのがよくわかります。いわゆる「ごっこ遊び」にしても、「大人の真似遊び」 にしても横で見ていると、子どもは自然に大きくなろうとしていることが感じられるものです。

  ところがいざ受験が始まってみると、数字に支配されることが多くなります。偏差値、合格可能性、順位、それぞれが客観データとして取り上げられてきますが、どの数字をみても、子どもたちの可能性を否定する根拠にはならないのです。これらの数字にはどこにも未来の可能性を想定するファクターがありません。残りの時間でどれだけ子どもたちが伸びるのか、その幅は何も見えてはこないのです。

  ところが数字だけが一人歩きをして、「今の成績ではこの学校は無理だ」という考え方が常識的に生まれてきます。本当にそうでしょうか。私たちはこれまでたくさんの子どもたちの成績と結果を見てきましたが、その通りに出る子どももいればそうでない子どももたくさんいるのです。そしてそれは「君の夢は可能かもしれない」と受け入れてくれる人がいることで、可能になってくるのではないでしょうか。

  中学生や高校生に「やってみればできるんじゃない?」というと、「また、そうやっておだててもだめだよ」なんていう返事が返ってきますが、小学生に話をすると「先生もそう思う?」という言葉になります。それだけ子どもたちは非常識ともいえるのですが、その分伸びる余白がたくさんあるわけです。その可能性をまず、親が受け入れてあげることが、成長のスタートではないでしょうか?

第5回 「文章読解の練習方法」 

新学期になって新しいスケジュールで毎日の生活を送っていることと思います。1週間の計画を立てられたと思いますが、当然毎週変更が生じているでしょう。計画を立てても子どもたちの生活は毎週同じとは限りません。遊びがあったり、イベントがあったりするわけですから、常にアップデートして優先順位の高い順に学習を進めていかなければならないのです。その中で、文章読解の練習は本来優先順位の高いものなのですが、毎週のテストの成績にさほど影響しないために、どちらかといえばないがしろにされている可能性があります。子どもたちも音読したり、書いたりするのが面倒な分、国語の勉強をやりたがらない面があるでしょう。確かにちょっとがんばったからといって国語の成績が目に見えてよくなりはしません。しかし3ヶ月コツコツ続けていけば必ず効果が現れるのです。 まずテキストを1冊決めましょう。テキストについてはなるべく解説が詳しいのが良いのですが、問題はどれを選んでも入試問題であることが多いので差はありません。そして1週間にやる分量を決めましょう。例えば長文を2題必ず解くというスケジュールを決めたらそれは絶対に守るようにするのです。

  まず文章を音読します。そのとき、できればその音読を聞いてあげていてください。別に他の仕事をなさっていてもかまいません。子どもの音読が聞ければよいのです。そして「このことばは知らないかもしれない?」と思ったら、意味をどんどんその場で教えてあげると良いのです。あるいは段落ごとに何が書いてあったか?確認してあげると良いでしょう。自分のことばで説明できれば、その内容を理解できていることになりますし、説明できなければもう一度読んでもらうといいでしょう。そして一通り読み終わったら、本人に問題を解いてもらいましょう。そして答え合わせはいっしょにしてあげてください。記述などはだいたいあってるなあと思ったら○で結構です。ちがっていたら、どうしてこうなるんだろうと一緒に考えてあげると効果的です。

  長男が中学受験のとき、家内と長男が国語の読解の勉強をしているのを聞くともなく聞いていました。
長男「絶対アだな」
家内「え、イでしょう。きっとイよ。」
長男「あれ、ウだ。答え。」
家内「違うところ、見てない? あら、ウだ。」
長男「どうしてなんだろう」

  結局、2人でそれなりに考えた結果としてウになったようですが、答えが正しいかどうかはさておき、この過程の中で少しずつ読解力は上がってくるのです。 こういう機会は中学受験が最後だと思いますから、ぜひ楽しんでいっしょの時間を過ごしてあげてください。子どもたちの読解力が確実についてくるでしょう。