第6回 好きとできるはいっしょ

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小学生の場合、やはり好きな科目とできる科目は同じことが多いものです。できるとほめられる、得意だと思う、自信ができるから好きになるのです。好きになればその科目をどうしても良く勉強することになる、だからさらにできることになり他の科目との差が開きやすくなります。

中学受験生の成績を見ていると、4科目全体が同じ偏差値というのはあまり多くありません。何かが良くて、何かが悪い。だから総合成績で組み分けをすると、算数はやさしく、国語は難しいなどということが起こりやすいのです。それはさておき、受験勉強はどの科目もある程度平均的に得点できるように勉強させるのが普通です。しかし、私はこの勉強法には反対です。

まず得意な科目を作ること。これは社会でも国語でもいいでしょう。中学受験では算数が得意であると有利ですが、算数を得意にしようと思っても難しい場合があるでしょう。だからまず何でもいいから得意な科目を作る。そして子どもに自信をつけることが大事です。

以前、社会ができる子がいました。とにかく歴史が好き。だから地理にも興味がでるし、政治の仕組みにも関心がある。6年の1学期には本当にいろいろと知っていました。でも算数はあまりふるわない。本人を呼んで話をしました。

「君は社会は僕を超えたね。」
「はあ?」
「君のレベルであれば、社会でわからない問題はないだろう。」
「いや、そんなことはないですが。(いえ、あなたの顔はそうだといっていますヨ。)」
「だから、次は算数をがんばりなさい。社会がそれだけできる人間が算数ができないわけがない。社会で君は勉強の仕方がわかったはずなのだから、算数も同じと考えればいいのだ。この夏休み、思い切り算数を伸ばしてみたらどうだ?」
「はい、がんばってみます。」

ここのミソは「社会ができる人間が算数ができないわけがない」という点です。これは事実。科目的な問題ではなく、「勉強の仕方がわかった」子は他の科目ものびる可能性が高いのです。

総合の偏差値でため息をつかず、何から伸ばすかぜひ考えてあげてください。最近は教科別に先生がいる塾が多いので、自分の教科のことばかり話がでてしまい、なかなか総合的に見てもらえないので、これは親が話をした方がわかりやすいでしょう。

昨日、過去問を国語ばかりやった子がいました。
「そんなに国語ばかりやったらあきるだろう。」
「いえ、好きですから。」
実際に他の子に比べれば圧倒的に進んでいました。やはり得意な教科を作ることが小学生の勉強では効果があると思います。

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