第49回 本当に終わるの? 

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■2年前から手帳を使って計画的に学習する必要性をお話をしてきています。「これで成功する!母と子の合格手帳」を書いたのも同じ動機でした。指導要領の改訂が終わって週休2日制が始まったとき、中学受験がまた過熱するのではないかと予想しました。加熱すれば、以前にもあったことですが、無理がまかり通るようになります。塾も、信じられなうくらいの課題やら宿題を出すのです。そしてお母さんは「何とか終わらせなきゃ」と子どもたちに勉強させようとします。

■私は「本当に終わりますか?」と母親講座でお話をしてきたのですが、「できなければ合格しない」という不安感が先に立ってなかなかそのスパイラルから抜けられなくなるのです。負のスパイラルといってもいいでしょう。課題が終わらない→やらせようとする→やる気をなくす→成績が悪くなる→自信をなくすという循環です。

■終わるか、終わらないかは計画を立ててみれば一目瞭然です。ただ計画表というのは、一度作ってしまうとそれで終わってしまうことが多いのですが、実際に子どもたちの生活は毎週同じではありません。友達と約束して遊びに行くこともあるだろうし、家族で出かけることもあるだろう、だから常に計画は「変えていかなければいけない」ものなのです。しかしそれをお母さんはあまり考えず、一回立てた計画ができないとまた子どもたちに「やらせよう」としてしまいます。

■結果として気ばかりあせってしまい、お母さんと子どもが1対1で家の中で対峙してしまう、そういうSOSをたくさんメールで頂戴しました。だから手帳を作って親と子が計画を立てて、情報を共有してもらうことが必要だと思ったのです。お母さんも子どもの学習計画表を持って考えれば「これは終わらないわ」と思うだろうし、だから優先順位をつけて「できないものは最初から手を付けない」ということもできるでしょう。何回でも計画を作り直して(これがデイリープランの根本です。)やるべきことを確実にこなしていかないと子どもたちが無駄な時間をすごしてしまいます。

■新学期が始まって、また「終わらない」と悩まれているご家庭があるのではないかと思います。ぜひ一度計画表を書いてみてください。「本当に終わるの?」終わりっこないことをやらせても、効果はまったく上がりません。

(田中 貴)

(2006年4月13日)

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