■現在、入試説明会でお話をしていますが、昨年に比べて2月4日の受験者数が減少しています。これについて2つの考え方があるようです。全体的な人数が増加して、入試が厳しかった分、早めに受験をあきらめた層が多かったという考え方です。そしてもうひとつが2月3日までの間に受験者が受験校を下げて安全な選択をしたので、4日以降の受験者が減少したという考え方です。
■私はどちらかといえばその両方が原因になったのではないかと思います。今年の受験が厳しいことは事前からかなりアナウンスされていました。したがって受験生は午後入試などを利用して、2月3日までにある程度合格を確保したので、もうそれ以上がんばらなくてもいいという感じになったのではないかと思うのです。
■今年の受験では、偏差値で40~50の学校で受験者が伸びています。したがって学校の選択の幅が広がっていきはじめているのではないかと思います。これは大変歓迎すべきことだと思います。私は以前から偏差値が高くて悪い学校があり、逆に偏差値が低くてもよい学校があるというお話をしてきました。各校とも自分の学校でどういう教育をしたいのか、しっかり考えを固めた上で学校の内容を充実させてきています。したがってそれなりに各校ともなかなか魅力があるので、それがだんだん理解されてきているのではないかと思われます。
■偏差値表というのは、読み方を間違えてしまいやすい資料です。偏差値が高ければよい学校だと思われがちですが、実際にお子さんにとって合う学校かどうかは、しっかり吟味しなければなりません。せっかく入っても、子どもたちの性格に合わなければ6年間があまりよい時間にはなりませんから、じっくり選んであげてください。
■来年の入試では6年生の人口も多く、また受験率も上がっていくと予想されます。しかも今年以上に2月1日~3日までの間に集中化する日程になっていくでしょう。その分、メリハリをしっかりつけて、抑えるべきところは、しっかり抑える。狙うべきところはしっかり狙う、そしてどの学校に行っても子どもたちにとってはよい選択だと自信をもっていえるように準備をしてほしいと思います。
(田中 貴)
(2006年3月13日)