第25回 集団型個別指導というか・・・?

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■最近、6年生の子供たちに勉強を教えるのは、ほとんど個別指導に近くなってきました。クラスには10人くらいの生徒がいるのですが、彼らのレベルも志望校もいろいろなので、ひとまとめにすることはそれぞれの子供たちにとって効率がよくないのです。

■そこで本人たちにそれぞれ必要なものを、個別に決めて勉強します。わからなければ聞きにきて教えます。私の机の前にオープンスペースで教室が2つあります。壁がありませんので、子供たちが何を勉強しているのかはすぐにわかります。授業中はきわめて静かに勉強が進みます。自分の課題を達成しないと、なかなか休みにならないからです。自分の課題を確実に解決すること、これが受験ではまず必要です。できることを集団の中でやってもあまり意味はない。今、やらなければいけないのは不足していることです。それは子供たちひとりひとりに違いがあるわけですから集中して解決するべきなのです。

■この方式を始めたもうひとつの理由は子供たちの組分けテストのプレッシャーをなくすことでした。人数が多くなくてもレベルが違えば、当然やることが違います。したがって集団方式では必ずクラスを変えなければなりません。しかし、このクラスでは毎週テストがあってその成績は本人と私しか知りません。で、そのテストの結果にしたがって次の学習内容を決めればいいのです。クラスが上がればいいが、クラスが下がるというプレッシャーはやはり毒があるので、気をつけておかなければならないのです。だからといってチェックはされていますから、ほめられたり、注意されたりするのは毎週あるのです。

■この方式を始めてから、まず、子供たちが自分で勉強するという姿勢が身につきました。何をしなければならないか、何を解決しなければならないかということが、ひとつひとつはっきりしたからモチベーションも明確です。そしてそれが受験校に対する姿勢にもつながっています。ただ、他の子供が何をやっているのかは、見させておきたいのでクラスは相変わらず10人程度は入れる教室にいます。となりがいるから迷惑をかけずに自分のことをやるという意識も大事だと思っています。

■デメリットは、私が忙しいことと、たくさんの生徒をみれないこと。まあ、それは仕方がないとすればあとは特に問題はなさそうです。特に秋以降、子供たちの成績がジワジワながら上がってきたことを考えるとこの方式にはメリットが多くあるようです。滞在型を始めたことで、彼らが塾を利用する時間も長くなり、私やスタッフと勉強する時間も増えたので、家庭での負担はだいぶ減少したと思います。このやり方に多少なりとも自信が出てきたので、私はエルフィーキッズにもこの指導方法を応用しようと思っています。締め切った教室の中で先生が主体的に教えるというスタイルは、そろそろ古いのではないかと思うのですがどうでしょうか?

(田中 貴)

(2005年10月10日)

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