第2回 「叱る」と「怒る」

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■「叱る」と「怒る」は違います。当然子どもは不注意でミスをします。したがって注意をしなければならないことはあるでしょう。ただその注意が子どもに届かなければ意味がありません。

■ところが「注意」している間にだんだん腹がたってきて、「怒る」に変わってしまうことがあります。その言葉がさらに自分の感情を荒立ててきます。こうなると子どもたちには「怖い」という感情が出てきて、早くこの時間が過ぎ去ることだけが重要になってきます。したがって、注意の言葉が届かなくなります。

■逆に、子どもの態度が悪かったり、何回いっても聞かないということもあるでしょう。反抗期の子どもにはありがちなことです。でも、振り返ってみてください。お父さんやお母さんも同じ時期があったはず。あのとき、どう思っていましたか?
あの時、どんな言葉を、どんな注意をしてもらったら、素直に耳を傾けられたでしょうか。パパママ先生も先生である以上、結果を出さなければなりません。ですから子どもの耳に届く注意の仕方を工夫してください。

■私はとにかく、静かに話すということだと思います。あるいはニコニコ話すということでしょうか。ニコニコ話していれば、子どもは怒られたような気はしませんから、逆に言葉は残ります。ついでに言えば、誉めながら注意するということが大事かもしれません。

■子供に注意をするときは、ほめるときにやると効果があります。たとえば先月より成績が良かったら、「えらかったね。」とほめてあげて、「こんなふうに字をていねいに書けば、合格できそうね」と言ってあげると、子供には具体的な内容が届くことになります。あくまで注意は具体的でなければなりません。「がんばりなさい!」は意味がないのです。だって本人は少なくともがんばっていると思っているのですから。「字をていねいに書く」「問題文は答えがでたとき、もう一度見直す」「計算はその場で検算する」といった具体的な指示をほめながら、してあげてください。


「あれ、ここで計算間違いしてるね。」
「あ、いけない。」
「これ、見直したの?」
「わかんない。やったような気もするし。」
「もう一度、計算してみて?」
「うん、」(計算する)
「出た。」
「そこで、もう一度見直して。」(見直す)
「大丈夫、あってるよ。」
「そう、それを本番でも忘れなければ、この問題は丸だったね。(赤く丸をつけ
なおす。)この問題はできる問題だったね。」
「うん。」

■このくらいのトーンでないと、子供には届きません。お母さん、いつもはどうですか?あるお母さんは、「先生、こんなことでは、やっていけません!!」といっておられましたが。

(平成15年3月30日)

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