第1回 パパママ先生合格術とは?

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■平成15年度の入試はなかなかきびしかったようです。最終的な集計は待たなければなりませんが、首都圏の受験率は14%を越え、2月1日の受験者数も昨年に比べて7、8%増えた感があります。

■昨年の指導要領改定以降、また受験熱が上がり始めたようです。少子化で教育産業も再編されそうな感じでしたが、ここに来て通塾する生徒の数も増加しています。ただ、受験するのに塾ばかりに頼っていて良いのでしょうか。最近では通塾回数も増えましたし、拘束される時間も長くなりました。「そのくらいやらないと、上位校には合格しないわよ」と言われて、「そんなものかな」と思いつつも、何か割り切れない気持ちをお持ちの方は意外に多いのではないでしょうか。

■今回「パパママ先生合格術」というコラムをスタートさせようと思ったのは、まさにここです。塾に行かないというのは難しいかもしれないけれど、やはり親が教育の主権をしっかりと握って、子どもの教育にあたっていくことは、私は大事な姿勢だと思うのです。そういう意味でお父さんやお母さんが先生になって、家庭で受験指導ができるようなノウハウを作っていきたいと思います。

■そこでお父さんや、お母さんが家庭で子どもたちに勉強を教える場合、次のことをまず守らなければ、うまくいきません。
1 勉強中、大きな声をだしたり、たたいたりしない。
2 つねに子どものよいところを見つけ、ほめてあげることを多くする。
3 子どもの成績に一喜一憂しない。
4 中学受験の結果など、子どもの人生にとって大したことではないという前提に立てる。
5 つねに子どもと話し合い、子どもと楽しい時間を過ごす。

■親子という関係においては、子供は従属的な存在になりがちです。したがって教える親の側が気配りをしていかなければ、うまくいきません。ですから、人任せにした方がうまくいく場合もあるでしょう。しかしながら、全面的に塾に依存してしまうと、時間が自由にならない面が出てきます。好きなサッカーができなかったり、おけいこごとが続けられないとすれば、やはり家庭が受験の中心になってコントロールしなければならないでしょう。

■塾に依存しないことのもうひとつの欠点は情報でしょう。今年の2月の受験は、非常に高倍率で推移しました。したがって、どの学校がどのくらいのレベルなのかを知るために、塾の情報提供力はこれまで以上に重要になっています。しかし一方で、各学校ともインターネットを通じていろいろな情報を公開してくれるようになりました。したがって、親が調べれば塾のフィルターがかからない情報を得ることも可能になったのです。

■すべて塾を否定する必要はありません。塾の便利な面はどんどん利用していけばよいでしょう。ただ、すべてを塾に依存するのではなく、家庭が教育の主権を持って、お父さん、お母さんが子供たちをリードしてあげると、受験は非常に効率よく成功することだろうと思います。

(平成15年3月23日)

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