第22回 志望校の決め方(2)
■受験・付属の別や通学時間など、いったんリストアップされた学校の中からこれはという学校があれば、そこで説明会に出かけていくことになります。その中で私が重大だと思うのは、やはり校長先生の話です。これについてちょっと詳しくお話しましょう。
■私学は、特別な教育方針があって学校が成立します。学校法人は寄付行為からスタートしますから、それが教会や修道会などの宗教法人であったり、あるいは企業のオーナーだったりするわけです。したがってなぜ学校を作るのかという指針があって、それで長年運営されてきています。
■しかし時代が経過するにつれ、その目標となる人材育成が変化してくることもあります。したがってその方針は、やはり各学校のトップにかかってきます。私学が存続する意味は、本来、公立と違い、特別な教育方針があるからであり、そこが中途半端であれば、当然、私学の魅力もなくなってしまうのです。
■ですから、説明会では各校のトップが何を考え、どうやって子どもたちを指導していこうとしているのかを、よく聞くことが大切です。その中で最も重要なポイントは、やはり子どもたちの可能性をどう伸ばしていくのかだと私は思うのです。
■これからは学歴よりもその人のもつ力が大事になるでしょう。だからといって、すべての分野で秀でるというわけにはいかないので、やはり好きなもの、得意なものを伸ばしていくことが必要です。中高6年間の間で、子どもたちが自分の可能性に気が付き、それが好きになって伸びていける環境が、私は必要だと思います。
■トップが大学受験の結果ばかりを話している学校はやはり、これからの子どもたちを託す場所としてどうでしょうか?そういう意味で教育方針は、とても大事です。そういう魅力をトップが語れるようになると、偏差値が多少悪くても、良い学校になる可能性が高いと思います。
(平成14年7月14日)