通塾日はなぜ増えたのか?

最近は、週に何日も塾に通う子が増えました。

もちろん、昔から6年生になれば塾の日数は多くなります。しかし、今はそれだけではありません。授業の日だけでなく、自習室に行く日、質問をする日、補習を受ける日、テストを受ける日、と、気がつけば週のほとんどを塾で過ごしている、という子も少なくありません。

では、なぜそうなったのでしょうか。

ひとつには、塾の側が子どもを長く預かるようになった、ということがあります。保護者の方もお仕事がありますし、家で勉強を見続けるのはなかなか大変です。だから、塾で面倒を見てもらえるなら、その方が安心だ、という気持ちになるのは当然でしょう。

ただ、ここで考えなければいけないことがあります。

塾に行っている時間が長いからといって、必ずしも力がつくわけではない、ということです。

授業を受けることは大事です。しかし、勉強は授業を聞いただけでは定着しません。自分で解いてみる。間違えた問題をやり直す。なぜ間違えたのかを考える。もう一度、自分の力でできるようにする。

この時間が必要なのです。

ところが、毎日のように塾に通っていると、その「自分で考える時間」がなかなか取れません。塾から帰ってきたらもう遅い。ご飯を食べて、お風呂に入って、少し宿題をやったら寝る時間。これでは、じっくり復習する余裕はなくなってしまいます。

しかも子どもたちは、学校にも行っています。学校の宿題もあります。習い事がある子もいるでしょう。友だちと遊ぶ時間も、本当は大事です。何もしないでぼんやりする時間も、子どもには必要です。

そういう時間がどんどん削られていくと、子どもは疲れてきます。

疲れているのに、また塾に行く。課題は増える。テストはある。成績で席順やクラスが変わる。そうなると、勉強そのものがだんだん苦しくなってしまうことがあります。

中学受験では、最後は自分の勉強が必要になります。

特に6年生の後半になれば、過去問を解かなければなりません。志望校に合わせた対策も必要です。苦手な分野をやり直す時間も必要です。これは、全員が同じ授業を受けていれば済む、というものではありません。

つまり、最後に必要になるのは「自分の時間」なのです。

通塾日が増えたことで、保護者の負担は少し軽くなったかもしれません。しかし、その分、子ども自身の時間がなくなっていないか。そこは一度、見直してみても良いでしょう。

塾に行くことが悪いわけではありません。大事なのは、塾に行くことで本当に力がついているのか、ということです。

もし、ただ忙しくなっているだけなら、少しペースを変えることも考えていいと思います。

塾のペースからいったん離れて、まずはできる問題を確実に増やす。自分で考える時間を取り戻す。そうすると、子どもは少しずつ自信を取り戻していきます。

受験勉強は、長く塾にいることを競うものではありません。

自分で考え、自分で解き、自分で前に進めるようになること。その力をどう育てるかを、もう一度考えてみたいところです。

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