学校別対策の考え方(3)

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さて今回は理科について考えていきましょう。

理科は大きく分けて2つの出題分野があります。ひとつは知識分野、もうひとつが計算分野です。

生物、人体、地学、天体の一部が知識分野になり、水溶液、力、電気、天体の一部が計算分野になるでしょう。

入試傾向で見ると、知識分野がどのくらいのウェイトを占めるのか、計算分野のレベルがどのくらいなのかがひとつの水準になります。

理科の問題レベルで言えば、知識分野が多く計算分野のレベルがやさしければ「やさしめ」ということができるでしょう。逆に計算分野のレベルが高かったり、記述問題や実験問題が多く出題される場合は難しいと判断できるのです。

知識はある程度覚えれば解決します。実際に入学試験に出題される知識というのはある程度しぼられており、出題範囲全てを100とすれば30程度が出題の70%を占めるというデータになります。ということは逆に30がしっかり理解できていれば7割得点することができるのです。7割というラインはどの学校でも合格ラインを超えますから、知識分野についてはこの30をしっかり覚えるということが重要な対策になります。

多くの塾でもあるいは学習参考書でもこの30%を特定することに力を入れていますので、知識をまとめているテキストをまず1冊絞って集中的に学習することが重要です。ただ、あまり早く始めても忘れてしまうことが多いので、この勉強は秋以降に集中させることが効率的な学習法といえるでしょう。

一方、計算問題については、男子受験校で難しい問題を出題する場合が多く、女子中堅校では出題してもあまり差がつかない(よくできない)ということで出題が見送られます。したがって過去10年の問題をしっかりと調べてみることが重要です。例えば電気や水溶液の計算問題であまり難しい問題が出ていないとすれば、そこに力を入れる必要はあまりないでしょう。

逆に確実に出題される学校を受験する場合、前半先の4分野を集中して学習することが重要になります。ただこれらの範囲は、算数に比べて出題がパターン化されています。

誤解を恐れずに言えば、例えば中和の問題は水酸化ナトリウム水溶液と塩酸の中和に関する問題がほぼ全部です。この場合、水酸化ナトリウム水溶液を固定して塩酸を入れていくのか、逆に塩酸を固定して水酸化ナトリウム水溶液を入れていくのかの2つのパターンに絞られますから、それを集中して学習していけばいいことになります。

理科の指導をする先生は、大方この出題傾向は熟知されていますから、もし志望校が決まって過去の出題傾向を調べてみたけれど、具体的によくわからなければ相談してみることをお勧めします。

以上を総合して

(1)知識中心型(簡単な計算問題を含む)
(2)計算、実験、記述型

のどちらであるかを学校別に見てみると、圧倒的に(1)の類型が多いのです。(1)の場合で言えば、いたずらに難しい計算問題に時間をかけるよりは前半、算数や国語に十分時間を使い、後半知識と計算関連のパターン問題をしっかりマスターすることで十分でしょう。

特に電気、力は不得意だと思う子どもたちは多く、それがために理科を嫌いになるケースが多いので、与える問題のレベルには十分気をつけてください。

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