疑問(2)

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私はできれば7月までに第一志望校は決めていくのが良いと思うのです。

今年の結果を見ても、2月1日に偏差値50以上の学校に受験した子どもたちは66%でした。すなわち第一志望はみなさん、なかなか落とせないのです。つまり子どもたちはその学校に行きたいがために勉強してきているわけで、それが11月に決まったわけではないでしょう。むしろ、ここに行かせたいと思うから受験されている場合が多いのではないでしょうか。

だから、逆に第一志望は早く決めてしまい、まず夏休みに過去問を一通りやってみるのです。もちろん復習と平行してです。ただ、この時期にはすらすら解けるなどということはまずないでしょう。だから解答や解説を読んで理解するという勉強法が中心でしょう。でもここで大切なことが子どもたちにはわかります。

「これができれば目標校に合格できるのか」
具体的なイメージができるのです。

そして学校にはやはり出題傾向があります。これは各塾でも絶対分析をしていると思うのですが、この傾向はあまり変わりません。出題する学校としても出題傾向が「コロコロ変わる」学校というイメージは望んでいません。そのイメージがあると受験者が集まりにくいからです。

つまり全体を復習する中で「出題傾向を優先して復習する」という軸が生まれるのです。文学史が10年出てなければ「出題されない」といっていいでしょう。その分良く出る「速さ」や「相似形」の問題を注力した方が効率的です。

また、知識を覚えるよりもじっくり考える力を身に着けることを優先させられます。先のやり方だと模擬試験でそこそこの偏差値を取るために細かいことを覚えるのを前倒しにやらなければなりません。しかし「また忘れる」のです。秋の学習法でお話しましたが、暗記は何回も繰り返さなければなりません。ただ、あまり早くからやるのは本末転倒な話です。だって模擬試験のために学習をしているからです。模擬試験は先のやり方でいえば学校を決めるために受けるからそうせざるを得ないのでしょうが、すでに決まっていれば先に準備している算数や国語の状態だけ確認すればすむでしょう。そして、さすがに模擬試験で点数がでるころからは子どもたちも知識が必要ならば覚えるようになりますから、入試に向けてちょうど良いペース配分になるのです。

7月に第一志望を決めれば、半年間のスパンで学校別の戦略を考えることができます。すべてのことができなくても、その学校に良く出ることができれば入試に合格するのです。別に模擬試験の成績を持って合否が判定されるわけではありません。入試でできればいい、そう考えると毎月のテストで勝ち残らずとも道は開けてくるのではないでしょうか。

では、どうやってその学校を決めればいいのか、ここがポイントになってきます。次回はこれについてお話したいと思います。

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