第32回 成績ががくんと下がった時

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■ 組み分け試験や月例テストで、がくんと成績が下がるときがあります。

■ まずはあわてないこと。「なにやってるの!」と叱っても仕方がない。本人だってショックなんだし。組み分けなんかだと、クラスが落ちるということは、先生もクラスメートも変わるということだから、決して平静を保てるわけがありません。そこに追い討ちをかけてしまってもあまり効果はない。逆に、それがショックで部屋に閉じこもったり、泣き出す子もいるかもしれませんから、まずは親として、冷静に対処することを考えましょう。

■ なぜ、そうなったのかを考えてみる必要があります。そのために分析すべきは、成績表ではなく答案。偏差値や順位をいくら見たところで、「下がった」ということしかわかりません。ただし、そのデータで「各問の得点と平均のかい離」を示すデータがあれば、これはとても参考になります。つまり「みんなができて、ウチの子ができなかった問題」が何かを特定できるからです。その問題を中心に、何ができなかったのかを一覧にしてみると良いでしょう。

■ こういう作業を中学生や高校生になれば、自分でやれるのですが、小学生はなかなか難しい。「自分で考えなさい」というのもわかるが、しかし、それはかなり大変なので、むしろお父さん、お母さんが「冷静になって」分析した方が良いと思います。で、何ができなかったが特定できたら、次は「なぜ、できなかった」をお子さんと話してみる必要があります。例えば、知識範囲の問題ができていない、ということになれば、それは覚えていなかったのだろうが、今まで覚えられて、今回覚えられなかったから下がったわけで、それはどうしてかを考えてみる必要があります。

■ 例えば運動会の練習がたてこんでいた、ということも原因になるかもしれない。ただし、責めてはいけません。原因を確認する作業の最中は、絶対責めてはいけない。責めると、本当のことがわからなくなる場合もあるからです。子どもは「自分は悪くなかった」と思いたいもの。だから、正しい原因がつかめなくなってしまうから、やさしく話してあげてください。叱るときは、この点を叱る、と決めてから叱れば良いのです。

■ 原因がつきとめられたら、(例えば勉強時間が不足していた。テーマが多くて手が回らなかった。ある基礎がわかっていないために、全体がうまく理解できていなかった。いろいろ理由があります。)具体策を考えていきましょう。その問題を解決するためには、どうすればいいのか。そしてその具体的な変更点を子どもと話し合っていくことです。

■ 例えば叱る場合であったとしても、「こういう勉強をしないといけない」という風に注意を具体的にしないと、改善されません。「もっと、しっかり勉強しないと」ではだめ。「気持ちが入ってない」って、そんな注意は子どもにはわからない。あくまで注意は具体的にすることです。

■ そして、次回はこの点を変えて、点数はこのくらいを目標にしよう、と決めてください。ただし、がくんと落ちたときは達成するのが比較的簡単な目標にしておきましょう。クラス分けだと、すぐに戻れるかわからない。うまくいけばいいですが、例えば5つクラスが落ちたら、まず2つ戻そう、ぐらいに考えていくことが大事です。何かがうまくいかなくなっているから、成績が下がるわけです。その原因を一発で突き止められればいいが、そうはいかないこともあります。試行錯誤しなければいけない場合もある。だから、確実に1つ1つ戻していく、ぐらいのことを考えたら良いのです。子どもたちに自信がついて、自分に合った勉強のやり方が定着してくれば、むしろ以前よりできるようになることが多いのです。

■ だから、これをチャンスにしよう、ぐらいに考えていただければ一番良い、と思います。

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