そんな学校、行かせないよ

Pocket
LINEで送る

 近年、中堅校が難度を上げてきています。だから、この学校なら止まる(受かる)だろうと思っていた学校が止まらない。2月3日、4日と受験を続けなければならないのは子どもにとっても、親にとっても大変なことだと思います。本来滑り止めには二つの目的があります。実際に行ける学校を確保すること、もうひとつは勢いを取り戻すことです。まだ12歳ですから、入試では緊張します。そこで失敗すると、さらに気持ちが落ち込んでしまって力を発揮できなくなってしまうのです。ところが1校合格して「行ける学校」を確保してしまうと、気持ちが楽になってきますから、ほかの学校も合格しやすくなるのです。だから私は滑り止めについては「ガーッ」と思い切って下げるというお話をしているわけですが、これが事前にはなかなかできない。そこまで下げなければいけないのだろうか、という気持ちになってしまうからでしょう。「行くか、行かないか」は結果が出てから決めればよいことであって、まず一つ確保することが重要なのです。ところがこの戦略をぶち壊す家族がたまにいます。

「そんな学校、行かせないよ」

 誰がいうかといえば、お父さんだったり、おばあちゃんだったりするのですが、これでは滑り止めの機能が果たせません。その学校に合格しても「行けない」ということになれば、勢いを取り戻すことにはならないからです。土台、お父さんやおばあちゃんが持っている学校情報は古いのです。そんな学校、と思っている学校がかつての名門校より難しいことはいくらでもあるのです。
 
 ですから、家族のなかでも十分に話し合いをしたうえで、滑り止めに関する役割も認識してもらって話を進めてください。お母さんだけ先行してしまって、あとで家族の意見が合わずに大変だったという話もあります。ですから、慎重に考える必要があるのです。実際に試験を受けている段階では、なかなかゆっくり考えることは難しいですから、事前にしっかりシミュレーションし、計画を立てておくことが大事です。

中学受験、失敗して成功する子、不合格でも成功する子電子版

Pocket
LINEで送る