2017年女子学院の問題です。
日本にあるユネスコ世界遺産の自然遺産は4つで、1993年に屋久島と白神山地、2005年に知床(知床半島とその沿岸地域)、2011年に小笠原諸島が登録された。
屋久島は降水量が多く湿度が高く、豊かな自然が残されており島全体の90%が森林でおおわれている。屋久島の大きな特徴は、小さな島の中で海岸線から宮之浦岳での間に、標高によって異なるようすの森林をみることができることである。屋久島の中腹に幹周り16m、樹高30mの巨大な縄文( A )に代表される、樹齢1000年以上の( A )が多数みられる。
白神山地は「人の影響をほとんど受けていない原生的な( B )の森林が世界最大級の規模で分布している」という理由で、登録された。
日本はほぼ全域にわたって森林が形成されている。どのような森林になるかは、降水量が豊かなので、その土地の気温によって決まる。
森林の種類と気温との関係は、年平均気温よりも「暖かさの指数」というもので、より正確に示すことができる。「暖かさの指数」とは月平均気温が5℃以上の月について、それぞれの月平均気温から5℃を引いた値を足しあわせて求めた値である。表1は、「暖かさの指数」と森林の種類の関係を示したものである。
表1
2
※「暖かさの指数」が15未満の場合には森林は形成されない。
表2は、屋久島の尾之間および白神山地の櫛石山の月平均気温を示したものである。尾之間の「暖かさの指数」は毎月の月平均気温からそれぞれ5℃引いた値を足して182となる。したがって尾之間の森林の種掛ま表1から亜熱帯多雨林となる。また、櫛石山の「暖かさの指数」は月平均気温が5℃以上の4月から10月までで計算すると57となり、森林の種類は夏緑樹林であることがわかる。
1.次の①~④の自然遺産の位置を右の地図中のア~コからそれぞれ選びなさい。
① 屋久島 ② 白神山地 ③ 知床 ④ 小笠庶諸島
2 上の文章中の( A )、( B )にあてはまる木の種類を答えなさい。
3 下のア~エは、表1の4つの森林にみられる植物の例を示したものである。①照葉樹林、②夏緑樹林にみられるものをそれぞれ選びなさい。
ア シイ・カシ・クスノキ・ツバキ イ クリ・ケヤキ・シラカンパ・カエデ
ウ モミ・トドマツ・エゾマツ エ マングローブ・ガジュマル・ヤシ
4 年平均気温が同じX地点とY地点があり、X地点は照葉樹林、Y地点は夏緑樹林である場合、X地点とY地点を比べて、夏と冬の気温の差が大きいのはどちらですか。
5 屋久島の尾之間は亜熱帯多雨林であるが、宮之浦岳の頂上付近ではどのような種類の森林がみられるだろうか。
① 尾之間(標高6Om)と宮之浦岳の頂上(標高1936m)との気温差は何℃になるか。気温は標高が100mちがうと0.6℃変化するとして計算し、小数第1位を四捨五入して答えなさい。
② 表2と①の答えを用いて宮之浦岳の頂上の暖かさの指数」を求めなさい。
③ ②の結果から、官之浦岳の頂上付近の森林の種頬はどうなると考えられるか、次のア~オから選びなさい。
ア 亜熱帯多雨林 イ 照葉樹林 ウ 夏緑樹林 エ 針葉樹林 オ 森林は形成されない
6 現在、地球温暖化が進んでおり、将来、日本の森林のようすも変わることが考えられる。( B )は夏緑樹林の代表的な木であるが、気温が現在より何℃上昇すると櫛石山は照葉樹林になると考えられるか。気温は1年間を通して平瑚勺に上昇すると考えて、次のア~オから選びなさい。
ア 1℃ イ 2℃ ウ 3℃ エ 4℃ オ 5℃
7 知床はヒグマの生息地のひとつであるが、北海道と本州に生息するクマについて正しいものを次のア~オから選びなさい。
ア 北海道にも本州にも、ヒグマとツキノワグマがいる。
イ 北海道にはホッキョクグマとヒグマが、本州にはツキノワグマがいる。
ウ 北海道にはヒグマが、本州にはヒグマとツキノワグマがいる。
エ 北海道にはヒグマが、本州にはツキノワグマがいる。
オ 北海道にはヒグマがいるが、本州にはクマのなかまはいない。
8 小笠原諸島では「固有種」(ある地域にしか生息・生育し難い生物の種類)の割合が高い。「固有種」が生じやすい地域や生物の特徴として考えられるものを次のア~キから2つ選びなさい。
ア 海岸線が長く高い山がなく、生物が移りすみやすい地域
イ 降水量が多い温暖な気候で、生息している生物の数が多い地域
ウ 大陸から遠く離れ、小さな島が集まっている地域
エ 移動する能力が高い生物
オ 移動する能力が低い生物
力 一度に産む子の数が多い生物
キ 一度に産む子の数が少ない生物
【解説と解答】
1 自然遺産の位置は地図で確認しておきましょう。
(答え) ① ケ ② エ ③ イ④ キ
2 屋久島はスギ、白神山地はブナ
(答え)A スギB ブナ
3
照葉樹林はシイ、カシなど。夏緑樹林は秋に葉を落とします。
(答え)① ア② イ
4 寒暖の差はXの方が大きくなります。
(答え)X
5
①標高差は1876mになるので、1876÷100×0.6=11.2・・・から11℃。
②13+13+15+18+21+24+27+28+26+23+19+15=242
242-5×12-11×12=242-60-132=50
(答え) ① 11 ② 50 ③ ウ
6 現在の暖かさの指数が57 100になるとすると43上げるので、エ。
(答え) エ
7 北海道にはヒグマが、本州にはツキノワグマがいます。
(答え)エ
8 大陸から遠く離れ、小さな島が集まっている地域
移動する能力が低い生物の2つです。
(答え)ウ・オ
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