第73回 模擬試験は入試ではない

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    これから模擬試験の季節ですね。
    今週日曜日には四谷大塚でも第1回 合不合判定テストが行われます。うちの子どもたちにも目標点を昨日つぶやきました。(本人たちはつぶやいた、なんて思っていないでしょうが。あれは脅迫だよね。)
    さて、模擬試験の結果は、なかなか親心を動揺させるものであろうと思います。
    合格可能性の数値などは、シビアで、これじゃ合格しない、なんて思われることもあるでしょう。しかし、まだ9月。時間はまだまだあります。
    模擬試験は合格可能性よりも問題点を見出すことが大事。
    (1)何ができて、何ができていないのか。
    例えば、基本問題からぽろぽろ落としている場合。これはミスなのか、わかっていないのか、みきわめる必要があるでしょう。多くの場合は、家に帰ってきたらできる。これは先日お話したとおり(第71回 家ではできるのに)多分に心理的な面が大きい。だから、確実に問題を読み取り、ていねいに解くという練習が必要でしょう。
    知識を覚えていない、という子もまだまだ多い時期。これは覚えれば解決します。だから、例えば地層ができない、ということならば、そこをしっかり覚える、という作業をする。次の試験までに穴を埋めるということが必要ですね。
    (2)学校別の傾向にあっているのか?
    どの模擬試験も1つの学校ですべての学校の判定を出します。つまり、それは統計的に考えるということなのであって、中学入試はすべてが独自入試ですから、学校別の傾向を反映しているわけではありません。
    したがって、合格可能性が20%未満でも合格する子はたくさんいるし、その逆もまたある。
    だから、学校別の傾向にあっていなければ、それほど思い悩むことではありません。
    (3)ミスの原因は何なのか?
    近年の入試は僅差の勝負です。したがってミスが痛い。みんなができない問題はできなくてもいいが、みんなができる問題を落とすと、差をつけられてしまいます。私が秋の学習で得点力というテーマを一番大事にするのは、このためです。したがってなぜミスを起こしたのか、対策を立てる必要があります。
    私は算数の解説のとき、自分でつぶやき、子どもたちに聞くことがあります。
    「で、出すのは何だっけ?」
    定価かもしれないし、原価かもしれない。あるいは売値かもしれない。問題を解いていくうちに、何を出すか、勘違いしがちなのです。だから、あるところまできたら、もう一度、何を出すのか、問題文で確認する。そのステップをひとついれるだけで、結果はだいぶ違ってきます。こういう対策を、子どもたちが次回の模擬試験までにできるようにする、そのためには過去問を解く過程でも、同じように練習すればいいわけで、その積み重ねで、子どもたちの得点力は上がっていくのです。
    1回1回の模擬試験の結果に一喜一憂することなく、具体的な対策を立てていきましょう。

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