今回は図形の移動について考えていきます。最近はどんどん複雑になってきた感がありますが、まずは基本をしっかり勉強してみましょう。
(例題1)
図1のように1辺が4cmの正方形が、たて6cm、横4cmの長方形に向かって毎秒1cmで進んでいきます。このとき次の問いに答えなさい。
図1
(1)5秒後に2つの面積が重なる面積を求めなさい。
(2)重なる面積が長方形の半分になるのは何秒後と何秒後ですか。
(解説と解答)
(1)5秒後は1cm×5=5cm進んでいますから、図1-1のようになり、横1cm分だけ重なっています。
図1-1
したがって重なる面積は1×4=4cm2です。
(答え)4cm2
(2)長方形の面積は4×6=24㎝2ですから、その半分は24÷2=12㎝2
重なる部分の面積はたてが4cmと変りませんから12÷4=3cmで横が3cmになるときになります。
これは2回あって、まず増えていって3cm重なる場合。これは正方形の一番左側の辺が4+3=7cm移動しますから7秒後です。
図1-2
続いて全部重なった後、今度は正方形が長方形の右側に抜けていって、また3cm重なる場合。
図1-3
したがって、今度は正方形の左側の線が4+4+1=9cm移動しますから、9秒後になります。
(答え)7秒後、9秒後
(例題2)
図のように1辺が4cmの正方形が、底辺が6cm、高さが8㎝の直角三角形に向かって毎秒1cmで動いていきます。このとき次の問いに答えなさい。
(1)8秒後の重なる面積を求めなさい。
(2)12秒後の重なる面積を求めなさい。
(1)8秒後は図2-1のようになります。
図2-1
このとき、三角形ABC、三角形ADE、三角形EFG、三角形GHCはすべて相似になり、3:4:5の直角三角形です。AD=4cm、DE=3cmですからEF=1cm
FGは1×$$\frac{4}{3}$$=$$\frac{4}{3}$$cm ですから、三角形EFGの面積は1×$$\frac{4}{3}$$×$$\frac{1}{2}$$=$$\frac{2}{3}$$cm2
したがって重なる面積は4×4-$$\frac{2}{3}$$=15$$\frac{1}{3}$$cm2です。
(答え)15$$\frac{1}{3}$$cm2
(2)12秒後は図2-2のようになります。
図2-2
今度はHC=2cmになり、三角形GHCと三角形ABCは相似ですから、GH:HC=4:3
HG=2×$$\frac{4}{3}$$=$$\frac{8}{3}$$
したがって三角形GHCの面積は2×$$\frac{8}{3}$$×$$\frac{1}{2}$$=$$\frac{8}{3}$$=2$$\frac{2}{3}$$
(答え)2$$\frac{2}{3}$$cm2
(例題3)図3-1のようにAB=8㎝、BC=6cm AC=10㎝の長方形を矢印の方にすべらず回転させていきます。点Aが初めて元の位置にもどるときまでに、点Aが移動する長さを求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。
図3-1
(解説と解答)
点Aは図のように動きます。最初の半径が長方形の対角線の長さになることに注意してください。このときの回転角度は90°です。
図3-2
したがって10×2×3.14×$$\frac{1}{4}$$+8×2×3.14×$$\frac{1}{4}$$+6×2×3.14×$$\frac{1}{4}$$
=24×2×3.14×$$\frac{1}{4}$$=12×3.14=37.68
(答え)37.68cm
(例題4)図4-1のように1辺が6cmの正三角形を矢印の方向に回転させていきます。点Aが元の位置にくるまでの間に点Aが移動する距離を求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。
図4-1
(解説と解答)
点Aは下図のように動きます。回転する角度は120°×2=240°です。
図4-2
したがって6×2×3.14×$$\frac{240}{360}$$=8×3.14=25.12
(答え)25.12cm
(例題5)図5-1のように半径が4cm、中心角45°のおうぎ形がすべらず矢印の方向に回転して初めて元の形になるときまでに、点Aの移動する距離を求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。
図5-1
(解説と解答)
さて、今度はおうぎ形です。これはちょっと注意しなければならないでしょう。起き上がった後、点Aは下の直線と平行に移動します。これは直線からの距離が半径と等しく一定になるからです。
したがって図はこのようになります。
図5-2
直線PQの部分はおうぎ形の弧の長さに等しくなります。したがって赤い線の長さは
4×2×3.14×$$\frac{90}{360}$$×2+4×2×3.14×$$\frac{45}{360}$$=4×2×3.14×$$\frac{225}{360}$$=5×3.14=15.7cmになります。
(答え)15.7cm
(例題6)図6-1のように半径が1cmの円が1辺が4cmの正方形の周りを1周しました。これについて次の問いに答えなさい。
図6-1
(1)1周する間に中心Pが移動する距離は何cmですか。
(2)1周する間に円が通る部分の面積は何cm2ですか。
(解説と解答)
(1)円は下図のように移動します。
図6-2
角のところは半径1cmのおうぎ形に弧にになりますが、4つ分あるので、ちょうど円1周分です。
したがってPが移動する長さは4×4+1×2×3.14=16+6.28=22.28cmになります。
(答え)22.28cm
(2)円が通る面積は下図のオレンジの部分です。
図6-3
角の部分はこんどは半径が2cmのおうぎ形になりますが、これも4つ分あるので、ちょうど円1個分です。
長方形の部分は4×2が4つあります。
したがって2×2×3.14+4×2×4=12.56+32=44.56cm2になります。
(答え)44.56cm2
基本的なパターンを並べてみました。実際にはもっと複雑な動きをする問題が多くなってきていますが、どういう風に動くのか、しっかりイメージをして、作図をしてみてください。
作図をすることによって、だんだん、動き方への理解が深まっていき、問題を解くカギが見つかりやすくなるでしょう。
以下のプリントもお役立ていただければと思います。
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