じっくり考える

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こんな子どもがいました。

塾で習ってくるやり方ではなく、自分の解き方を押し通すのです。せっかく習ったのに、いや、こうやれば解ける、とうんうんうなりながら問題を解く。親から見ると、なんと不合理なことをやっているのだろう、と思われるかもしれません。
何度も注意しますが、頑固。これで間に合わなくても、これは仕方がないと最後、さじを投げてしまったそうですが、6年生の後半からぐんぐん成績が伸びて、無事、第一志望に合格したそうです。

最近の塾はたくさんの問題を与え、それで訓練をしているように見えますが、実際は考える力がついているわけではない。むしろ、疲弊していくことの方が多いのです。

特に算数はいろいろ出題のバリエーションがあり、すべてのパターンを網羅するなど不可能。特に上位校では、これまで見たこともない問題が出されますから、その場その場で対応する力が必要になります。

だから、自分のやり方でも先生から習ったやり方でも、納得しながら、理解しながら、じっくり進める方法が力がつくのです。塾は便宜上、カリキュラムを作り、テストをやり、とあるペースを作りますが、そのペースに合わない子どもだっています。そして、その子たちが合格しないとは限らない。むしろ自分のペースを作るからこそ、納得もいくし、学力もつくという場合が少なくないのです。早くあきらめるタイプの子よりは、こういう子どもたちの方が伸びるもの。

あまり、塾のペースに惑わされない方がよいでしょう。

ただ、問題は塾がこれまでの成績を土台に、学校別特訓に振り分けるケース。ある成績をとっていないと、志望校別のクラスに入れない場合が出てきています。これは本末転倒な話だと私は思います。たとえ半年であっても、伸びる子はかなり伸びる、その可能性を最初から捨てさせるというのは、どうも納得がいかない。この辺りは親がしっかり情報を持っていないと、子どもの可能性を閉ざしてしまうことになりますから、要注意です。

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