幼さをどうするか

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最近の子どもたちはやはり昔に比べれば幼くなりました。
ひとつには兄弟姉妹が少ない。一人っ子が全体の半分を超えているのではないかと思われます。その結果として、大人がしてあげることが多くなった。その分子どもたちが自分で問題を解決できる経験が少なくなったといえます。また、いろいろなことをしてもらえると期待する子どもたちは昔に比べれば明らかに多い。これはわがままにつながるでしょう。子どもたちがこわいと思う大人も少なくなりました。自分のやりたいことをやるという方向に流れてきているのです。

しかし、受験というのはやりたいことをやったままできるほど生易しいものではありません。当然、塾にも行き、家でも勉強するとなると、やりたいことはがまんしなければならない。このがまんするということに慣れていない子どもたちが増えている分、受験勉強をさせるということの難しさが出てくるわけです。

お父さん、お母さんとしては何とか合格させてやりたいと思う反面、勉強をさせることの大変さを感じて、塾に出す傾向が多いのでしょう。塾もまた、少子化ですから通塾回数を増やして売り上げを上げたいので、週3日、週4日と膨れ上がります。かつ、個別指導、家庭教師と教育費はうなぎのぼりになっているのではないでしょうか。

しかしながら、効果は?というとそれほどでもないのがほとんどでしょう。なぜか。

「自分で勉強しなければ、力はつかない」が真理だからです。

たとえ塾に行っても、自分で勉強しない子どもたちは少なくありません。小学校2年生からずーっと個別指導に預けて、いよいよ受験学年を迎えて塾に入れてみると、まったくついていけない。実際には子どもが自分から勉強することがほとんどなかったからなのですが、あれだけの費用が全部無駄になってしまったということもありえる話なのです。

幼さに対する対応策、大きく分けては2つあります。ひとつは動機付け。なぜ中学を受験するのか?という問題を真剣に話し合う必要があるのです。特に志望校は大事で、その学校に入ることが子どもにとって魅力的でなければ、子どもは公立の中学校でかまわないのですから、勉強しないでしょう。

もうひとつが自立する習慣。自分でやることが当たり前であるかどうか?という問題。たとえば朝、一人で起きているのか。学校のしたくは自分でできているのか、そういう身の回りのことが自分で出来ない子が自分で勉強できるわけがないのです。

どんなに塾に行っても、話しを聞いていない、問題を解いていないということになれば、できるはずがありません。自分が勉強しようする意思、できるようになりたいと思う願望、そういうものをもっていなければ塾の回数を増やしても結果はでないでしょう。むしろ、宿題ばかりに追われて、本当に『勉強が嫌い』になったり『自信をなくしてしまう』子どもたちが増えているのです。

4年生ぐらいから塾に行かせるよりは、むしろ4年生で自分で宿題をやったり、計算練習をしたり、本を読んだりという習慣ができることの方が大事です。身の回りも自分でできる、こういう生活習慣をつけていくことが大事なのです。

これは笑い話ではありません。

「中学になっても、まだ自分でおきないんです。ですから、朝起こして、荷物を入れてやって、服を出してやってって、もう朝から大変なんです。」

とあるお母さんが話していました。それもうれしそうに。

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