入試倍率を見て

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出願が締め切られて、続々と各校の応募状況が出てきています。

1月はまだ横ばいだったような気がするのですが、2月は減少気味ではないかと思うのです。いや、ふたを開けてみないとわからない部分はあるので、簡単には断言できないのですが、そういう印象を持っています。

12月までの各塾の模擬試験の受験人員は明らかに増加していたのですが、はたしてこれはどういうことだろうか?と思うに・・・・・。

(1)受験生が受験する模擬試験の数が増えた。(つまり、今までは5回~6回ぐらいだったのが、7回ぐらいになったのではないだろうか。)
(2)事前予想で「厳しい」予想が出た分、ある程度実力相応校に的を絞って、出願している。

実際に出願というのは、実受験者数ではないので、たとえば2日については1日の結果で2校出願しておこうという出願がありえたわけです。しかし、今年はみなさんがしっかり的を絞って出願している、より実質的な受け方をされているのではないだろうか、そんな印象を持ちます。

実際の全体の受験者動向はともあれ、そうなると今年も「僅差の勝負」であることは間違いなさそうです。このまえ受験生に説明をしたのですが、たとえばあるA中学の合格偏差値が55だったとしましょう。この学校を受ける生徒は45ぐらいから65くらいまである程度の幅がこれまではあったと思います。しかし入試日程が短くなって、みなさんそれなりに合格する学校も受験の中に入れてくるとなると、より実質的になる。したがってA中学の受験生は50~60ぐらいの幅に狭まってくるという現象がおこるのです。

そうなると、ほんのわずかの差で合格したり、落ちたりする。ここは大丈夫だと思っていても落ちるかもしれないし、なかなか手が届かないかもしれないと思っていても、うまくいくかもしれない。

で、僅差の勝負になればまず「気持ちを強く持つ」ことが肝要になります。ちょっとしたミスが失敗の原因になるのだから、「落ちたらどうしよう」などと考えていては力は発揮できない。「俺がうからずして誰がうかる」的な気持ちをもつことが大事です。

そして、本当に緻密に問題を解いていく必要があります。先日、月の問題を出したのですが、例の地球を回る月の図を描いて月の公転方向を反対にしたのです。つまりこの図は南極から見た図になる。しかしこれまで子供たちが勉強していたのは北極から見た図ばかりですから、かなりの生徒がひっかかりました。

「なーんだ」
「意地が悪いよね。」
「ホント、やっぱり性格がよくない」(ほっとけ。)

でもそこに気がついた子は、やはりていねいな子なのです。入試は、落とすために作る。(入れるために作るのではないのです。差をつけるために問題は作られます。)だからそこをしっかり見据えて問題を解いていかなければなりません。

捨てる問題は当然あっていい。ただ、自分ができる問題は絶対に落とさない。その気持ちで入試に臨んでほしいと思います。

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