2007年度中学入試展望

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今年前半に発表された来年の中学入試のトピックの中でいくつか気になる点をお話したいと思います。

(1)法政第一→法政大学
共学化。校舎移転。
早稲田実業の国分寺移転、小学校併設の流れを受けて、最近各大学付属が一貫指導の体系を整えつつあります。小学校、中学校、高校、大学の流れをしっかりとつくり、あわせて校舎の設備の充実を図り、教育内容の差別化を図っていく動きは今後加速していくでしょう。富士見丘(横浜)は「横浜富士見が丘」に改称し、校地を移転することになっています。施設の充実、教育内容の充実などそれぞれの学校の新しい戦略が発表されているようです。

(2)中高一貫校化
武蔵工業大学付属、共立が高校募集を停止し、完全中高一貫校になりました。これはこれまでの動きが加速している流れですが、今後も首都圏を中心に完全中高一貫校が増加し、高校から私立を受ける枠はさらに絞られてくるでしょう。首都圏に関して言えばやはり上位校に関して中学受験が中心になったようです。

(3)公立一貫校の書類審査の廃止
これまで公立一貫校は書類審査に合格しなければ受験ができませんでしたが、書類審査が廃止されることになり、門戸が開かれてくるでしょう。これによって私立、公立一貫校をあわせて受験する受験生が増加する可能性がでてきました。公立一貫の入試問題は、私立の問題と明らかに出題内容が異なりますので準備は大変ですが、それでも公立一貫校を受験する生徒はさらに増加するでしょう。

(4)4教科試験
これまで2教科、2科・4科選択だった学校が4教科のみにしぼってきています。東京女学館、洗足などすでに発表された学校がありますが、今後もこの傾向は続くでしょう。2科・4科選択制の場合、まず2科で成績順にならべて一定の割合を合格させ、その後4教科の生徒で不合格だった生徒を上位から合格させていく方式がとられていましたが、結局合格者は4教科選択の生徒がほとんどとなっている学校が多く、4教科にしても問題がなくなっているためです。したがって受験準備は今後も4教科を中心に行っていく必要があるでしょう。

(5)中学受験生の増加
来年も中学受験生は増加するでしょう。最近はマスコミの中学受験記事がかなり増えてきて、過熱感がかなりあります。その意味では子どもたちのストレスもさらに増大していく可能性があり、時間の上手な使い方や効率の良い学習法がますます必要になってくるでしょう。受験するのはまだ12歳の小学生ですから、体力的な面、精神的な面で高校受験生や大学受験生にかなり劣ります。したがって親や塾がうまくリードしてあげる必要があるでしょう。

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